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Wikipediaの各ページのPV数を簡単に比較できる公式ツール「ARTICLE COMPARISON」


無料で誰でも閲覧できるオンライン百科事典の「Wikipedia」は日本中・世界中からさまざまな人がアクセスするため、その時ごとに人々の関心を集めたキーワードへのアクセスが集中することが知られています。Wikipediaが公式にリリースしたツール「ARTICLE COMPARISON」は複数のページが集めたページビュー(PV)数の変化をグラフにして直感的に把握できるようになっています。

ARTICLE COMPARISON - Sample App for Pageview API
https://analytics.wmflabs.org/demo/pageview-api/

ページを開くとこんな感じ。Projectに「enwiki」と表示されているように、このグラフは「英語版Wikipedia」で「2015年11月26日から2015年12月15日の間」に閲覧された「CatとDog」のページのPVを色分けして比較したグラフとなっています。


グラフにマウスオーバーすると、それぞれのポイントの数値を表示してくれるので、詳細に確認することも可能です。


日本語版Wikipediaのデータを参照するには、「Project」をクリックして項目を「jawiki」に変更します。


次に「Dates」の項目から検索したい日付の範囲を指定し、「Apply」をクリックして決定します。なお、記事作成時点では、過去の日付は2015年10月1日以前にはさかのぼれない仕様になっていました。


最後に「Articles」にPVを比較数を調べたいキーワードを入れて検索します。数文字入力すると、以下の画像のようにWikipediaに存在するページの候補が表示されるので、その中から選べばOK。該当するページがない場合は指定することができませんでした。


英語版のサンプルに合わせ、まずは「ネコ」で検索した結果がこんな感じ。折れ線グラフでPV数の変化が表示されており、マウスオーバーすることで詳細な数値を確認することも可能です。


しかしこのツールの真骨頂は、複数のページを指定してPV数を比較できるところにあります。「ネコ」に加えて「イヌ」を入力すると、以下のように2本のグラフが表示され、PV数の違いが一目瞭然の状態となりました。マウスオーバーして各項目の数値を数字で比較することも可能です。結果はこのようにネコが上位となっており、日本人はネコ派が多いようです。


このページでは、以下のように最大で5個までのキーワードで比較することが可能です。やはりここでもネコ最強説が浮き彫りに。


この機能を使って、いろいろなキーワードを比較してみることにしました。Most visited pages on Wikipedia 2014(2014年に最も訪れられたwikipediaのページ)の日本語ランキングの上位に並ぶ「黒田孝高」「小保方晴子」「村岡花子」「エボラ出血熱」「アナと雪の女王」を並べてみたらこんな感じ。小保方氏のPV数が10月末から11月前半にかけて急増していたことがわかります。


Yahoo!検索大賞2015を受賞した項目から、「三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE」「窪田正孝」「広瀬すず」「8.6秒バズーカー」「五郎丸歩」を比較したらこうなりました。やはり、10月にラグビーワールドカップで活躍した五郎丸氏のグラフが大きく跳ね上がっていることがわかります。


SNS比較ということで、「Facebook」「Instagram」「mixi」「LinkedIn」「Google+」を並べてみると、FacebookとInstagramが歩調を合わせるように11月後半からグラフが上昇していることがわかりました。


Fedora」「Ubuntu」「CentOS」「Microsoft Windows」「OS X」を比較するとこんな感じ。7日周期でグラフが上下しており、土曜と日曜に当たる部分でガクッと下がっているのは、平日の業務でWikipediaを使っている人が多いことを表しているのかも。


2015年11月23日に発表されたゆるキャラグランプリ2015でトップ5に入った「出世大名家康くん」「みきゃん」「ふっかちゃん(ページは「深谷市」)」「しんじょう君」「メルギューくん・メルモモちゃん」のグラフがコレ。やはりいずれも11月23日にグラフが上昇していました。


平成初期に登場した軽自動車で、「ABC御三家」とも呼ばれるオートザム(マツダ)「AZ-1」、ホンダ「Beat」、スズキ「カプチーノ」の3つを並べるとこんな感じ。ホンダ・Beatが大きく後塵を拝する結果となっているのが意外と言えば意外。


このように、関心のあるキーワードや気になるライバル関係などを比較してみると面白い結果が見られることもありそうです。

ちなみに、以下のページでは英語版Wikipediaの検索上位ランキング100位の結果を見ることができます。公開が間近に迫った「スター・ウォーズ/フォースの覚醒(英語ページ)」が1位に挙がっているのはさすがと言ったところ。2位には歌手のアデル、3位には映画シリーズとしてのスター・ウォーズが続き、ウェブスクレイピングJava(プログラミング言語)と続いており、2012年に発表された日本語版Wikipediaのランキングと比較してもなんとなく雰囲気が違うことが垣間見えて興味深いものになっています。

Wikipedia Top 100

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in レビュー,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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