防水で水中から空中に飛び出せる「空飛ぶ潜水艦」のようなドローン登場
空中だけではなく水中での機動にも優れたドローンをラトガーズ大学が開発しました。アメリカの海軍研究事務所がその有用性に目をつけて、予算を提供しているそうです。
Navy Funds Rutgers to Develop Drone Equally Adept at Flying and Swimming | Media Relations
http://news.rutgers.edu/research-news/navy-funds-rutgers-develop-drone-equally-adept-flying-and-swimming/
This Waterproof Quadcopter Is Also a Submarine
http://www.popularmechanics.com/flight/drones/a18419/waterproof-drone-transforms-from-quadcopter-to-submarine/
YouTubeでムービーが公開されていて、実際にどのような機動を行うのかが見られます。
SubUAS "Naviator" Maneuver Test - YouTube
プールサイドからドローンが飛び立ちました
プールの上を飛んでいくかと思いきや……
プール上空でホバリング。
そのままズズズと水中へ……
沈んでいきました。
操縦ミスで沈んでしまったのでは?という心配は無用、水中でもローターは回り続けています。
思い描いていた姿とは違いますが、潜水移動中。
空中をスイスイ飛ぶように、とはいかないものの、ゆったり前進。
やがて、機体を水平に向けて浮上を開始。
水面が鏡のようになって、ドローンの姿が映りこんでいます。
その鏡合わせの姿と合体。
水上へ。
さらに、そのまま飛び上がりました。
無事、プールサイドに戻ってきました。
このドローンはもともと機械・航空宇宙工学のザビエル・ディーツ教授が学生や卒業生の手を借りてコンセプトを練っていたもので、海軍研究事務所の職員にデモを見せたところ、新しいモデル開発のための予算をつけてくれたそうです。
ドローンの目的としては、行方不明になった遊泳者や船乗り、難破船の周辺の調査などが想定されていて、タンカーの座礁事故が起きたときに重油流出がどれぐらい広がっているのかを調べるのに役立つと考えられています。
一方で、海軍としては機雷を回避するための手段、および普段は潜水状態で使用しておき突然浮上して周辺の敵情を収集し再び潜水するという偵察目的を想定しているのではないかとディーツ教授。
今のところ、水中までは電波がうまく飛ばないため、ドローン本体は有線で接続されていて、無線操作時は電波ではなく音波パルスを用いる方法が考えられています。来年夏にはプールだけではなく、海水でも潜水できるものに改良していく予定があるとのことで、このバージョンアップ時にはカメラやソナーといった装備が海軍から支給されるものとみられています。
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