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セキュリティが売りのBlackBerryが撤退を余儀なくされた理由とは?

By TechStage

数年で市場シェアが激減し、日本からは撤退しているスマートフォンのBlackBerryですが、強力なセキュリティを求めるユーザーの中にはBlackBerryを愛用する政府や軍、企業が存在するのも事実です。ただし、その強固なセキュリティを嫌う政府もあるようで、パキスタンではBlackBerryが2015年末を最後に同国から撤退することになりました。

Why BlackBerry is Exiting Pakistan | Inside BlackBerry
http://blogs.blackberry.com/2015/11/why-blackberry-is-exiting-pakistan/

BlackBerryの公式ブログによると2015年12月30日(水)にBlackBerryはパキスタンから撤退することが決まったとのこと。もとは11月30日の予定が1ヶ月延期された形ですが、2016年からはパキスタン国内でBlacyBerryを使うことができなくなります。

By SimonQ錫濛譙

BlackBerryは暗号化して送受信を行うBlackBerry Messengerやメールを含む「BlackBerry Enterprise Service(BES)」を運用しているのですが、パキスタン政府からBESのトラフィックの監視許可を求められ、許可するか、許可せずパキスタンから撤退するか、という選択を迫られていました。BlackBerryのCOOであるMarty Beard氏は、「弊社はパキスタン政府の要求に従うことはできません。以前から言っている通り、弊社は顧客情報へアクセスするバックドアを許可しておらず、今までにも許可した前例はありません」と突っぱね、最終的に撤退を余儀なくされたことを明らかにしました。

BlackBerryの主張によれば、犯罪の調査など司法に基づいた要求であれば快く協力するとのことですが、パキスタンの要求である「BESユーザーの全情報への自由なアクセス」は市民の安全を守るためのものではなく、ユーザーのプライバシーを最重要視している同社の理念としては受け入れがたいとのことです。

By Guilhem Vellut

2013年に政府機関がネット関連企業の中央サーバに直接アクセスして個人情報などを参照することができる「PRISM」というシステムの存在がCIA元職員のエドワード・スノーデン氏によって暴露され、それ以降、通話や通信を提供する企業と政府の関係性や暗号化通信はインターネット上で議論の的になっています。BlackBerryはセキュリティの高さから愛用者がいましたが、そのセキュリティがパキスタン政府にとっては邪魔になり排除されるに至ったという、なんとも言えない結末を迎えることになりました。

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in モバイル, Posted by darkhorse_log

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