NASAがスタートレックの「トリコーダー」っぽい地球外生命体を検知する「ケミカル・ラップトップ」を開発中
NASAの無人探査機等の研究開発及び運用に携わる「ジェット推進研究所(JPL)」が地球外生命体を検知するための小型デバイス「ケミカル・ラップトップ」を開発中です。研究所の設備を限りなく小型化したことで宇宙に持ち出せる端末となっており、まるでスタートレックに登場するデバイスのようだと形容されています。
'Chemical Laptop' Could Search for Signs of Life Outside Earth | NASA
http://www.nasa.gov/feature/jpl/chemical-laptop-could-search-for-signs-of-life-outside-earth
NASA's New 'Star Trek' Tech Is Designed to Detect Alien Life
http://www.space.com/31225-nasa-star-trek-tech-life-search.html
ケミカル・ラップトップは研究所の設備を小型化したようなアイテムで、いわばスタートレックに登場する「トリコーダー」にあたるもの。大きさはノートPCと同じくらいで、中には化学分析を行うための軽量化された道具が詰まっています。
「ケミカル・ラップトップはノートPCのように、機能をプログラミングによって変更できるケミカル・アナライザーです」と語るのはケミカル・ラップトップを開発している1人であるフェルナンダ・モラ氏。ケミカル・ラップトップはアプリを入れることで、アミノ酸・脂肪酸を始めとするさまざまな分析が可能になるとのこと。アミノ酸や脂肪酸は生命の存在にとって重要な要素ですが、生命が存在しない場所でも発見されることがあるため、ケミカル・ラップトップがあればその違いが分かるようになると見られています。
これがケミカル・ラップトップ。「ラップトップ」と名付けられていますが、ケミカル・ラップトップは水をかけてもシャットダウンされず、むしろ水を得ることで機能するのが特徴。サンプルを採取して少しの氷を溶かすだけで分析が始まるとのことです。
具体的に言うと、デバイスはサンプルを採取すると、そこに水を加えてセ氏100度まで熱します。そしてアミノ酸や脂肪酸と結合する蛍光色素を混ぜ合わせます。
地球上にあるほとんどのアミノ酸は「左型」なのですが、「右型」のアミノ酸を持つ地球外生命体も存在するはずだと研究者らは考えており、宇宙で見つかるアミノ酸のうち「右型」と「左型」の比率はどのくらいなのかに注目しているようです。JPLで働くジェシカ・クリーマー博士によれば「もし右型と左型が50%ずつ発見されれば生物は存在しなかったと考えられますが、どちらかに偏りがあれば、地球外の星にも生命体が存在したという証拠になります」とのこと。
クリーマー博士は「ケミカル・ラップトップは地球から宇宙に送られるデバイスのうち最も感度の良いものなので、きっとアミノ酸や脂肪酸を見つける最初のデバイスになるでしょう」と語りました。
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