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「iPad mini 4」には上位モデルのiPad Airシリーズの設計デザインが大幅に取り込まれていると判明


iPhone 6s/6s PlusやiPad Proに隠れるように、ひっそりと新登場した「iPad mini 4」を、ガジェット分解・修理集団のiFixitがさっそく分解しています。目立たないようにAppleが意図的に発表会での露出を減らしたようにも思えるiPad mini 4の中身は、上位モデルのiPad Airシリーズで採用された薄型化設計がふんだんに盛り込まれており、「iPad Air mini」とでもいうべき設計となっていることが明らかになっています。

iPad Mini 4 Teardown - iFixit
https://www.ifixit.com/Teardown/iPad+Mini+4+Teardown/48891

iPad mini 4は、これまでのiPad miniシリーズと同様に7.9インチ液晶ディスプレイを搭載。SoCにはiPhone 6と同じM8モーションコプロセッサ内蔵のA8チップが採用されています。


今回分解したのは「Model A1538」


iPad mini 4(上)は6.1mm厚。7.5mm厚のiPad mini 3(下)を重ねると、大幅に薄型化されたのがよく分かります。なお、底面のスピーカーも薄型化に伴って1列に変更されています。


iPad mini 4はiSightカメラ(リアカメラ)を挟むようにマイクを搭載しています。


なお、ゴールドカラーはiPhone 6のものと同じ色合いです。


iFixitの分解レポートではおなじみのiOpenerで、サイド部分の接着剤を熱で溶かします。


Pickを隙間にねじ込みながら、ディスプレイを持ち上げていきます。


iPad mini 4のディスプレイ面にはiPad Air 2と同様の全面ラミネートが採用されており、このおかげで大幅な薄型化に成功。ただし、「損傷した場合のパーツ交換費用も大幅アップを覚悟しなければならない」と、iFixit。


ディスプレイを取り外すと平たく大型のバッテリーが見えました。iFixitによると、iPad mini 4は「iPad Air 2のミニチュア」と言えるほど、コンポーネントの配置やデザインが似ているとのこと。


極小のネジを外して金属カバーを取り外します。


フルサイズiPadのバッテリーコネクターの取り外しで不可欠なBattery Isolation Pickがなくても、iPad mini 4の場合は、一般的な工具でも脱着可能な模様。


ようやくディスプレイの取り外しに成功。ディスプレイ解像度が2048×1536、画素密度が326ppiとiPad mini 3から変更がないことから分かるとおり、ディスプレイ自体には大きな変更はないようです。


iPad mini 3で初めて搭載されたTouch IDのパーツはiPad mini 4でもまったく同じ。


バッテリーは変更アリ。左がiPad mini 3で右がiPad mini 4。iPad mini 4は筐体の薄型化に伴って、バッテリー自体も薄型化されており、バッテリーセルもシングルタイプで容量も減少しているとのこと。


オレンジ枠で囲まれたのが明るさ検出用センサーで場所が変更されています。また、黄色枠のFaceTimeカメラ(フロントカメラ)も、よりスリムになっています。なお、緑色の枠で示されているのは、追加されたプラスチック製のスペーサー。


アンテナは、半分のサイズに分かれており、一つがiPad Airのように上部に、もう一つがこれまでのiPad miniのように下部に搭載されるというハイブリッド構造。


薄型化したiPad mini 4では、わずかなスペースも無駄にしないようにパーツがパズルのように配置されています。


続いてリアカメラのユニットの取り外し。


リアカメラはiPad Airシリーズと同様に800万画素にグレードアップしましたが、フロントカメラは依然として120万画素にとどめられており、AppleがiPad miniシリーズをiPadの下位モデルに位置付けていることがよく分かります。


バッテリー横の細長いパーツがロジックボード(マザーボード)。


赤枠がSoCのA8チップでHynix製のLPDDR3 SDRAMメモリ(2GB)が同胞されています。オレンジ枠がストレージ用のNANDフラッシュでやはりHynix製。黄枠のNFCコントローラーの65V10と緑枠のM8モーションコプロセッサーのLPC18B1UKはNXPセミコンダクター製。水色枠がオーディオコーデックチップの338S1213、青枠がディスプレイインターフェースICチップの1610A1となっています。


ロジックボードの先端を拡大するこんな感じ。赤枠がWi-Fiモジュールの339S00045、オレンジ枠がデジタイザーコントローラーのBCM5976。黄枠はiPad Air 2でも確認されたTexas Instruments製の343S0583チップ。


iFixitが判定するiPad mini 4の分解難易度は10段階の「2」と、かなり難しいという評価。ロジックボードがはんだ付けされていないという分解しやすい面はあるものの、液晶パネルが一体成形されていて分離すると壊れる危険があること、Lightningコネクタがロジックボードにはんだ付けされていること、ホームボタンのTouch ID機能を壊さないようにホームボタンを交換するためにはディスプレイを先に取りはずす必要があること、などがその理由に挙げられています。

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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