ファンタジーやSFっぽい「スーパーセル」や「乳房雲」など大自然の恐ろしさと美しさが同居した光景が圧倒的なムービー「The Chase」
プロのカメラマンが14日間かけて撮影した圧倒的大迫力の大自然に出現する嵐の様子をまじまじと見られるタイムラプスムービーが「The Chase」です。ムービーを作成するため、カメラマンはコロラド州・テキサス州・ニューメキシコ州といった具合に複数の州をまたぐ大移動をこなしており、嵐を追跡した結果カメラで捉えることに成功したのはスーパーセルや巨大な棚雲、乳房雲に空をかける稲妻の筋など、自然が作り出した天然のアートのような光景ばかりです。
The Chase on Vimeo
「The Chase」は、カメラで撮影した何万枚もの写真をつなぎあわせてひとつのタイムラプスムービーに仕上げたもの。ムービーでは「空」と「雲」をメインに撮影しており、のどかな風景が急激に変化していく様子や珍しい雲、空の様子などが楽しめます。
ムービー中で使用されているBGMは、作曲家ケリー・マジーのアルバム「The Architect」に収録されている「The Secret History」という曲。
まさに人っ子一人いない平原と、空に浮かぶ巨大な入道雲
さらに巨大な入道雲も発見。平原の右奥にある山とサイズを比較すればいかに巨大な雲なのかが想像出来ます。
横にびよーんと伸びる雲。空はこれでもかというくらいに濃い青色をしており、とても気持ちの良さそうな天気。
しかし、徐々にグレーの雲が多くなっていきます。
そして空から何か降臨しそうなくらいに物々しい雲があちこちに出現。
グレーのベールをかけてしまったかのような不思議な空。
鮮やかな緑と、どんよりとした雲のコントラストが印象的。
どれくらい分厚い雲が空に広がっているのかは想像もつきません。
右奧からやってくる雲の波が……
あっという間に空を覆い尽くしてしまいます。タイムラプスムービーなので実際にどれくらいのスピードで雲が動いているのかは分かりませんが、動きはかなり速そうです。
これは、雲底にこぶ状の雲がいくつも垂れ下がったような状態になっている「乳房雲」。下降気流や渦流が発生しているときに発生する雲で、アメリカでは竜巻の前兆として知られているそうです。
雲の動きと共に空の色も激しく変化しまくり。
SFやフィクションの世界から出てきたかのような、この世のものとは思えない紫色の雲。
雲と平野の間には強烈なオレンジ色の光が差し込んでおり、より一層夢か幻か何かのような雰囲気を醸し出します。
そして自然のものとは思えない強烈なコントラストが完成。
空一面を覆い尽くすかのような雲・雲・雲。
道路脇に出現した竜巻のような雲が……
徐々に巨大化していく様子も見られます。
巨大な雲が渦巻く「スーパーセル」。
「迫り来る邪悪な雲の波から必死で逃げる車」のようなワンショット。映画「ツイスター」のワンシーンです、と言われると信じてしまいそうです。
雲からのぞく深緑の光。空が赤色やオレンジ色に染まることはままありますが、緑色になるというのはナメック星の空以外では見たことがありません。
動きの速い雲に包まれていく様はまさに圧倒的で、「雲の波にのみ込まれてしまう!」と錯覚してしまいそうなくらい。
こちらも巨大な雲の波が平原を覆い尽くしてしまいます。
左右で雲の形が異なっており、2種類の雲が激しくぶつかり合っているかのような空。
地面の模様を見ると上記画像と同じ地点から同じ方向の空を撮影したものであることが分かるのですが、空の色と雲の形がまるで異なっており、全く違う日に撮影したのかと見まがうレベルの空の変わりよう。
スーパーセルのように渦巻く雲ともやがぶつかっている瞬間。画像の右端だけ画像加工ソフトでぼかし加工を施したかのようですが、これも自然の力で出現した光景。
右側のもやが強烈に発光しますがこれは一体何が起こっているのでしょうか……?
奧に向かって筋状の雲が何本も伸びる空。
雲の隙間から稲妻がピカリ。明るいピンク色のものが多め。
こちらは紫色の雷。
バチバチ広範囲に落ちまくり。
本当に地球上で起きた光景なのか目を疑うばかり。
平原の上空に浮かぶ雲の塊。
これも2種類の形の異なる雲がぶつかる様子。
こちらのスーパーセルはかなりの高度にまで渦巻きが立ち上っており、中に何か隠れていてもおかしくないレベル。
空が燃えるような鮮やかなオレンジ色になり……
雲が紫色に変化。
と、思いきや急に空が濃紺色になってしまいました。
なお、14日間の撮影での総走行距離は1万2000マイル(約1万9000キロメートル)で、訪れたのはニューメキシコ・テキサス・カンザス・オクラホマ・コロラド・ネブラスカ・サウスダコタ・ワイオミング・モンタナ・ノースダコタの10州。撮影に使用されたカメラはキヤノンのEOS 5D Mark III、レンズはロキノン製のもので、総撮影枚数は4万5000枚以上に及ぶそうです。
4K画質で「The Chase」を楽しむこともできます。
The Chase (4K) - YouTube
「The Chase」を撮影したのはウェディングカメラマンのMike Olbinskiさん。Olbinskiさんは自身のホームページやInstagramアカウントなどでポートレートや台風の写真を大量に公開しており、その一部は以下から見ることができます。
Scottsdale AZ Wedding Photographer | Mike Olbinski Blog
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