ビル・ゲイツが薦める「TEDカンファレンスに向けて読んでおくべき6冊の本」
By OnInnovation
Microsoftの設立者で、現在はビル&メリンダ・ゲイツ財団の活動を行っているビル・ゲイツは毎年、その年に読んで印象に残っている書籍をリストにしてブログで公表しています。これとは別に、ゲイツがTEDカンファレンスで講演を行うにあたってまとめた「読んでおくべき6冊の本」のリストが公開されています。
6 Books I Recommended for TED 2015 | Bill Gates
http://www.gatesnotes.com/About-Bill-Gates/6-Books-I-Recommended-for-TED-2015
◆1: 人と企業はどこで間違えるのか?---成功と失敗の本質を探る「10の物語」: ジョン・ブルックス
この本は、1991年にまだ出会って間もないウォーレン・バフェットから読んでおくようにと薦められたもので、それから25年近くを経た今でもゲイツは「これまでで最高のビジネス書だ」と手放しで称賛しています。大きな組織の作り方や正しいスキルを持つ人材の雇用、顧客からのフィードバックに耳を傾けることなど、ビジネスの基礎について書かれているとのこと。
特にゲイツが気に入っているゼロックスに関するチャプターは、以下のページから無料でダウンロード可能となっています。
Here’s a Chapter From My Favorite Business Book | Bill Gates
◆2: The Bully Pulpit: ドリス・カーンズ・グッドウィン
歴史家のドリス・カーンズ・グッドウィンによるこの書籍では、アメリカ合衆国第26代大統領セオドア・ルーズベルトと第27代大統領ウィリアム・タフトの経歴をもとに、ゲイツが関心を寄せるという「社会はどのようにして変化するのか」というテーマについて書かれているとのこと。社会を変えるのは精神的指導力を持つ人物の力によるものなのか、それとも別の土台となるファクターによるものなのか、両大統領のエピソードを交えながら解説。
◆3: On Immunity: ユーラ・ビス
エッセイストのユーラ・ビスが書いた「On Immunity」は文学分析や心理学、科学の力を借りて、アメリカに広がるワクチンについての誤解を解き明かす内容。著者のビスがこの書籍を記したのは学術的な目的ではなく、自らが母親となったことによるもの。ゲイツは「新しく親になる夫婦にうってつけの本」と紹介しています。
◆4: Making the Modern World: ヴァクラフ・スミル
著者で歴史家のヴァクラフ・スミルはゲイツお気に入りの作家で、これまで全ての作品に目を通してきたとのこと。この本では、セメントや鉄、アルミ、プラスチックといった現代的な生活を可能にする素材に関する研究が行われており、例えば中国では過去3年間で、アメリカ合衆国が20世紀を通じて消費したのと同じ量のセメントを消費したことなどが述べられています。
◆5: How Asia Works: ジョー・スタッドウェル
ビジネス・ジャーナリストのスタッドウェルが「なぜ日本や台湾、韓国、中国などの国は高い成長を持続しているのか」そして「なぜ他の国はそれを成し得ないのか」について述べている作品。解説を通じてスタッドウェルは「零細農家が繁栄する環境を作り上げること」、「収益を、輸出品を生産する設備に投資すること」そして「政府による綿密な金融施策によって上記の両方の産業を成長させること」の重要さを述べています。
◆6: 統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門: ダレル・ハフ
初版が1954年に発表されたこの作品ですが、ゲイツはウォール・ストリート・ジャーナルによる記事「Best Books for Investors」で知ったとのこと。60年以上も前に書かれてた本ですが、全く色あせることのない内容を持ち、現代にも十分通用する魅力を持つとゲイツは述べています。ある章ではビジュアルによっていかに実際の数字が誇張され、歪曲されるかについて書かれており、これは現代のFacebookやTwitterに多くのインフォグラフィックが投稿され、間違った内容が伝えられる状況においても重要な内容を示しているとのこと。
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