スマホのGPSオフでもバッテリーの減り方から居場所を特定できることが判明
スマートフォンに搭載されているGPS機能は便利な使い方ができる一方で、プライバシー流出につながるとして懸念する人も多いはず。GPSはオフにすればほとんどの場合で位置情報の取得を停止させることができますが、スタンフォード大学とイスラエルの防衛省による研究によると、バッテリーの消費パターンを分析することで90%という高い確率でスマートフォンの居場所を特定できることが明らかになりました。
levenstein_dist.eps - 1502.03182v1.pdf
(PDFファイル)http://arxiv.org/pdf/1502.03182v1.pdf
BBC News - Battery power alone can be used to track Android phones
http://www.bbc.com/news/technology-31587621
プライバシーの流出につながる脅威となりかねないこの事実ですが、今回の発表で触れられたのはAndroid端末についてのみ。Androidではほとんど全ての場合でユーザーの承認なしにアプリがバッテリーの利用状況にアクセスできるようになっています。なお、iOS端末については言及がありません。
位置を特定する方法ですが、ここにはスマートフォンと携帯電話基地局の距離が遠くなるほどバッテリーの消費が速くなるという特性が取り入れられています。一般的に携帯基地局からの距離が遠くなったりビルや山などの障害物が存在すると、電波が邪魔されることで通信環境が悪化します。これを認識した端末は電波の送受信パワーをアップして通信性能を確保しようとするため、バッテリーが多く消費されてしまうということにつながります。そしてこの時の消費パターンには、地域ごとにある程度の傾向が存在しているとのこと。
この消費パターンと地域特性を照合することで、もしあるユーザーの行動パターンが事前にわかっている場合には、なんと90%という高い確率で居場所を特定できてしまうと研究チームは明らかにしています。また、行動パターンが事前にわかっていない場合でも、特定率は60%とされており、これは非常に高い数値と言っても過言ではなさそうです。
もちろんバッテリーの消費はカメラや音楽アプリ、ゲームなどを使用することで変化するものですが、研究チームではそのような外部要因を排除する分析アルゴリズムを構築できているとのこと。この脅威を回避するには、現状ではもはやバッテリーを外してしまうしか手だてがないようで、スマートフォンでバッテリーが使えないというジレンマに陥るため、OSレベルのアクセス制限などの根本的な対応策が必要になるのかもしれません。
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