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エンジニアの悲哀を描いた背筋がざわざわするムービー「The Expert」


会社やチームで仕事をしていると、無理難題をふっかけられることが一度や二度はあるもの。ロンドン在住の脚本家、Lauris Beinertsさんによる短編ムービー作品「The Expert(専門家)」は、チームでムチャぶりを押しつけられてしまうエンジニアの苦悩を描いた作品で、世界中から共感の称賛の声が寄せられまくっています。

The Expert (Short Comedy Sketch) - YouTube


上記ムービーには日本語字幕が設定されています。もし表示されていない場合は、YouTube画面の右下にある「字幕」アイコンをクリックして表示させてください。


舞台はある会社の会議室。プロジェクトを抱えたクライアントが発注先のチームと打ち合わせを行っているところです。


クライアントの要望はとにかく「7本の赤い線を引きたい」ということ。そのために連れてこられたのが専門家のアンダーソンさん(矢印)なのですが、彼には次々と苦難が降りかかります。


「必要なのは7本の赤い線で、全てが厳密に直角でなければなりません。いくつかは緑のインクと透明のインクを使います。できますか?」と、のっけから意味不明なオーダーをブチこんでくるクライアント。


「それは無理です」と口にしようとした瞬間、「そんなに急いで結論に飛びつく必要はないよ!」と同僚に静止されるアンダーソン氏。経験のある人にはわかる、この時点ですでに「あかんヤツ」な案件の匂いがプンプン。


「不可能に近いですね」と百歩譲ったアンダーソンさんに……


「つまり、原理的には可能だと」


「う”……」と苦い表情のアンダーソン氏。


「青いインクだとどうなるんだ?」「それもダメです。青い線になります」と当たり前な応酬。ここで話を変えようとアンダーソン氏が「透明のインクとは?」と質問。


「つまり……透明のインクで赤い線を引いてほしいということです」と、プロジェクトの中身を理解していない担当者が口にしそうなセリフ。


ここで上司が突然ブチ切れ。「非生産的な言い争いで時間を無駄にするのはやめにしないか。タスクは決まったんだ。タスクはシンプルかつ明確だ」と、単純化するにもほどがある上司。たぶんこの人も何もわかっていないクチ。


案件が無理な理由をホワイトボードで図解するアンダーソン氏。「7本の線すべてを直角にするのはムリです。2本の線は直角になれますが、3本目は1本目と平行になってしまいます」


「これならどうかしら」とクライアント。


アンダーソン氏は「これは三角形です」とうんざりしたような表情。どうやら全て直角にすらできていない状況。


ここで上司がまたも「もういい。君は混乱させすぎだ」とブチ切れ。アンダーソン氏は当然のことを言っているはずなのですが……。


そして最悪のパターン。「アンダーソン、君が専門家だというのはわかる。だがごく狭い分野だ。全体的な視点というものが欠けている」同僚からも「ソリューションを提案してくれ!」と責め立てられるアンダーソン氏。


さらによくわかってないクライアントから「線のうちひとつを子猫の形にできますか?マーケットリサーチの結果から、我々のユーザーはかわいい動物が好きだということがわかったんです」と、ここまで来て関係ない要素を盛り込んでくるとか、もうカオス。


「できるのか?できないのか?」


「え、いや、まぁ……」というアンダーソン氏の言葉に「よし決まった!会議終了!非常に生産的だった。皆ありがとう!」と会議が終了。寒気がしてきました。


そして帰り際に、追い打ちの依頼がねじ込まれます。


「バルーンを膨らませる時、それを子猫の形にできますか?」というムチャぶりに対してアンダーソン氏は……


満面の笑みで返答。どう答えたのかはムービーで確認してみてください。


寒気がして思わず「世界中どこでもあるんだなぁ」と思わされるムービーですが、日本人からは「共感しすぎて胸が痛い」や「現実の光景ですね」といったコメント、さらに世界中からも「オゥ、神よ、これは地獄だ」「みんなこんな状況あるよね」「なんで俺はまたこのムービーを見たんだろう。腹が立ってきた!」などのコメントが多数寄せられています。

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in 動画, Posted by darkhorse_log

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