取材

ホンダでは2体の「水素小便小僧ズ」が水のおしっこで燃料電池自動車の仕組みを解説


自動車メーカーのホンダは、アジア最大級の最先端IT・エレクトロニクス総合展であるCEATEC JAPAN 2014にブースを出展し、次世代のエネルギー源とも目される燃料電池を使ったモビリティや新しい生活のスタイルを提案しています。

Honda | 「CEATEC JAPAN 2014」Honda出展概要
http://www.honda.co.jp/news/2014/c141002.html

ホンダのブースに到着。今回のブースでは「SUISO JAPAN powered by Honda」をコンセプトに、来るべき水素社会におけるクルマと生活の提案が行われています。


まず目に飛び込んでくるのが、「水素小便小僧ズ」とも呼ぶべき2体のオブジェ。ホンダらしく、レーシングカーの上に立っています。


狙いを定めるその先にはバケツ。


1人のお客さんがシートに収まり、スタッフの指示を受けていろいろと操作しています。どうやら水素燃料電池車が走る仕組みをデモする様子。


水素を燃料とする燃料電池は、タンクに入れた水素と空気中の酸素を反応させて発電を行うというもの。電力が生み出されている様子がディスプレイに表示されています。


両者が反応すると、分子が結合して水が作り出されます。このようにしてできた水は……


「じょろじょろ~」と排出される、というわけです。作り出される水は基本的に不純物を含まないきれいな水で、実際の燃料電池自動車でも従来の排気ガスの代わりに水がマフラーから排出される仕組みとなっています。


そんな燃料電池自動車に水素を補給するための施設が「スマート水素ステーション」です。今回はモックアップが展示されていますが、実際のステーションとほぼ同じ大きさになっているとのこと。必要な設備がパッケージ化されており、必要な接地面積は4畳半の部屋とほぼ同じというコンパクト設計。しかも、設置に必要なコストは従来の約10分の1という手軽さを備えているため、今後の普及に拍車がかりそう。


背面に回ると、水素ガスを貯蔵しておくタンクが目に入りました。従来のガソリンスタンドのような地下タンクを建設する必要がないのが、スマート水素ステーションのメリットといえます。


ホンダのブースでは、「つくる」「つかう」「つながる」という3つのテーマで今後の水素社会における生活を提案。スマート水素ステーションは「つくる」の根幹となるシステムで、開発には岩谷産業との協同体勢が採られました。


そして「つかう」のテーマでは、スマート水素ステーションで作った水素を燃料にして発電し、電気を使ってモーターで走行する燃料電池自動車の仕組みが解説されています。先述のレーシングカーはまさに「つかう」のテーマを表現したものとなっていました。


さらに「つながる」のテーマでは、燃料電池自動車を「走る発電所」として使う仕組みが提案されています。家などと燃料電池自動車をつなぎ、電力を供給することができるので、夏場の電力ピーク時の負荷を分散させたり、災害の発生時などには非常用の発電所としての役割を果たすことが可能になります。


トヨタが燃料電池自動車の「FCV」を2014年度内に発売を予定していることを受け、ホンダでは同社が開発を進めてきた「FCXクラリティ」をトヨタよりも一歩早く市場に投入することを発表済み。水素ステーションなどのインフラ整備が欠かせない水素燃料電池自動車ですが、今後どのぐらい普及が進むのか関心が集まりそうです。

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in 取材,   ハードウェア,   乗り物, Posted by darkhorse_log

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