人間の言語は幸福な方へバイアスがかかっていることが判明
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By Brett Davies
「否定的な言葉よりも肯定的な言葉の方が影響力が強くなる」という現象は「ポリアンナ効果」として知られています。これはエレナ・ホグマン・ポーターの小説の登場人物からつけられた心理現象ですが、計算言語学者が世界各国の言語を調査したところ、全ての言語は幸福な方向にバイアスがかかって作られていることが判明しました。
Human Language Is Biased Towards Happiness, Say Computational Linguists — The Physics arXiv Blog — Medium
https://medium.com/the-physics-arxiv-blog/data-mining-reveals-how-human-language-is-biased-towards-happiness-773df682c4a7
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バーモント大学計算言語学研究所研究者ピーター・ドッツ氏たちの研究チームは、英語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・ブラジル・ポルトガル語・朝鮮語・中国語・ロシア語・インドネシア語およびアラビア語などの24の異なる言語の資料から、最もよく使われる10万語を抽出。そして肯定的・否定的な意味を持つ言葉の頻度を調査しました。
次に、それぞれのネイティブスピーカーを呼んで、それぞれの単語を「最も否定的」「悲しい」から「最も肯定的」「幸せ」という風にどのように感じているかを調べて、500万の回答による言葉への印象を集めたデータベースを作成。そこから1単語ずつにレートをつけて、各言語で肯定的・否定的の頻度を調査したとのこと。その結果、全ての言語が肯定的な言葉に向けてバイアスがかかっており、リストを並べ替えるとスペイン語が最も肯定的な単語が多く、次にポルトガル語、3番目が英語の順番になりました。最も肯定的な単語が少ない言語は中国語だったとのこと。
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また、今回の研究ではいくつかの言語で興味深い差異が見つかっています。例えば、単語ごとの幸福度を1(否定的)~9(肯定的)に格付けすると、英語で「贈り物」を意味する「Gift」の幸福度は7.72点で肯定的な単語と捉えられています。一方でドイツ語で同じ意味を持つ「Geschenk」は3.54点と、やや否定的な意味で捉えられています。このようにそれぞれの言語ごとに肯定・否定の度合いが異なるものの、「なぜスペイン語は最も幸福で、中国語は最も幸せではないのか?」という疑問は、今後の研究で明かされていくだろう、と研究チームは述べています。
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ドッツ氏たちの研究によって、データ・マイニングとクラウドソーシングの組み合わせが心理学と言語学に有効なツールであったことが注目されており、長らく決定事実とは考えられていなかったポリアンナ効果を後押しする意義ある研究結果となっています。
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in サイエンス, Posted by darkhorse_log
You can read the machine translated English article Human language turned out to be biased t….