シベリアに突如出現した巨大な「穴」の正体とは?
ロシア・シベリアにあるヤマル半島で、直径が30メートルもある巨大な「穴」が発見されました。
Mysterious Siberian crater attributed to methane : Nature News & Comment
http://www.nature.com/news/mysterious-siberian-crater-attributed-to-methane-1.15649
世界の終わりを感じさせる巨大な穴は以下のムービーで確認できます。
Ямал - невероятная воронка Giant Hole in the ground - Yamal (Russia) - YouTube
シベリアのヤマル半島上空を飛ぶヘリ。画面左上に巨大な穴が見えてきました。
穴の直径は30メートル。穴の周りには樹木は見られずゴツゴツした岩場になっている模様。
穴は地中奥深くにつながっていそう……。
この穴は、2014年7月中旬に突如として現れ、発見された当初は「巨大な隕石の衝突によるクレーターではないか?」と騒がれました。しかし、ロシア人考古学者のアンドレイプレハノフ・サレハルド博士によると、この巨大な穴はメタンガスが噴出してできたものであるとのこと。
シベリアに広がる永久凍土には、メタンハイドレートが含まれており、融解すると二酸化炭素やメタンなどの炭化水素が放出されることがあります。2012年・2013年は猛暑で、シベリア付近の気温が平年に比べて5度ほど高かったため永久凍土が融解。地中に閉じ込められていたメタンが一気に噴出し、地表面が崩壊したことで巨大な穴になった、とサレハルド博士は考えています。
これは新たに発見された、先ほどのものとは別の穴。
Reindeer herders find more #craters in the far north of #Siberia. Scientists are puzzled.
http://t.co/GFtqluuVdU pic.twitter.com/PVCVG7ZMoD
— Siberian Times (@siberian_times) 2014, 7月 28
ドイツの地質学者・ハンス・ヴォルガング博士は、「このヤマルの穴ほど巨大なものは、永久凍土の融解が原因でできた穴としては見たこともないほどの規模である」と述べ、穴ができた背景に長期的な地球温暖化の影響があるのではないかと指摘しています。
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