3Dプリンターで出力したミリメシをアメリカ陸軍が導入に向けて開発中
NASAが3Dプリンターでピザを作る会社に出資したり、チョコレート会社のハーシーズが3Dプリンターでのお菓子開発に取り組んでいたり、近年3Dプリンターで食べ物を出力することに注目が集まっています。その技術に目を付けたのがアメリカ陸軍で、3Dプリンターで出力した戦闘糧食(ミリメシ)の導入を検討中です。
The Army Is Developing 3D Printers to Make Food - Defense One
http://www.defenseone.com/ideas/2014/07/army-developing-3d-printers-make-food/90284/
ARMY TECHNOLOGY
http://usarmy.vo.llnwd.net/e2/c/downloads/352196.pdf
おいしくて、かつ、栄養のある食糧を兵士のために確保することは、戦場で最も難しいタスクの1つ。アメリカ陸軍の戦闘糧食は24種類しかなく、味の評判もあまりよくないとのことで、戦闘糧食問題を解決するためにアメリカ陸軍が目をつけたのが3Dプリンター技術です。
By Paul's Captures (paul-mashburn.artistwebsites.com)
3Dプリンターで食べ物を出力する既存の技術は、栄養素が含まれたパウダーに水や油を混ぜ、それを3Dプリンターで何層にも重ねて食べ物を作成するものでしたが、アメリカ軍が導入しようとしているのは超音波を発生させて粒子を凝固させる超音波処理と呼ばれる技術。
アメリカ陸軍ネイティック兵士研究センターで戦闘糧食研究を行っているLauren Oleksyk氏は「研究チームは超音波処理の技術を3Dプリンターで使用してスナックタイプの食糧を開発中です。開発に成功すれば、ピザやパスタといった食べ物の出力に取り組みます。さまざまなタイプの食糧を3Dプリンターで出力できれば、既存の戦闘糧食に取ってかわることが可能です」と研究について語りました。
By Robert
また、同センターのMary Scerra氏は「超音波処理による3Dプリンターでの食糧出力の開発が進めば、兵士が個人で好きな食べ物を戦場で出力し、食べ物の無駄を防ぐことができる」との見解を示しており、将来的には場所を選ばずに、兵士個人が好みの食べ物を出力できることを目指しているのがわかります。
アメリカ陸軍は2014年1月にも、3Dプリンターで作成した移植用皮膚の使用開始が間近であることをARMY TECHNOLOGYで公表し、さらには、3Dプリンターで出力した陸軍戦闘服や手袋などの衣服の導入予定を同雑誌内で明かしており、3Dプリンター技術へのただならぬ力の入れようが垣間見えます。
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