脳波だけで飛行機を操縦する実験に成功、将来的にはファンネルのように考えるだけでドローンを飛ばせるようになるかも
ミュンヘン工科大学のTim Fricke教授が指揮を取った実験で、フライトシミュレーターに乗った被験者が操縦桿を握ることなく「思考の力」のみで飛行機を操縦することに成功しました。
Are Mind-Powered Drones Next?
http://www.worldcrunch.com/tech-science/are-mind-powered-drones-next-/drones-brain-computer-future-telekinesis/c4s16081/
ハンズフリーで飛行機を操縦する実験の様子は以下のムービーで見ることが可能です。
Brain controlled flight - YouTube
実験で使用されたフライトシミュレーターはコレ。被験者にはあらかじめ操縦の練習を行わせるなどの措置は一切講じず、操縦方法については何も知らない状態で実験に参加してもらっているそうです。
最初は飛行機を旋回させるテストがスタート。
シミュレーターに乗った被験者はこんな感じで、頭には脳波を検知するための電極が取り付けられています。
操縦桿は握っていないものの、左右にガチャガチャと動きます。これは、頭に取り付けた脳波記録用の電極が脳波を感知して、飛行機を左右に旋回させているとのこと。
シミュレーター外から撮影した映像を見ていると、飛行機が大きく機体を傾けて旋回しようとしていることがわかります。
実験中は頭に脳波記録用の電極を取り付けて脳の電気信号を記録しているわけですが、以下の画面の左上にある「Brain signal feedback」がその記録した脳の信号を視覚的に表したもの。飛行機を左右に旋回させる際、この信号も大きく左右に動いている、というわけ。
そして最後は脳波を使った飛行機の操縦で滑走路に着陸する実験。
画面前方に滑走路が見えてきました。
被験者は脳波で飛行機の機首を左右に微調整しながら滑走路に近づいてゆきます。
それなりの精度はあるものの、「滑走路のココにピッタリ着陸」とまでは行かない模様で、地面が近くなってもゆらゆらする機首。
そして滑走路上に無事着陸。
このシミュレーターを使った実験では、ミュンヘン工科大学の研究チームが作ったアルゴリズムを使い、脳波を飛行機を操縦するための指示に「翻訳」することで飛行機を左右に動かしているとのこと。なお、実験では7人の被験者が頭の中で考えるだけで飛行機を操縦したそうですが、どの被験者も上手にシミュレーターの飛行機を飛ばしたそうです。
「脳波で飛行機を操縦する」というこの実験は、「Brainflight」プロジェクトと呼ばれる脳の構造を探るプロジェクトの一環として行われており、欧州連合から60万ユーロ(約8300万円)を投資してもらっている有望なプロジェクト。これを先導しているのはポルトガルのTekeverという、ドローンや軍事技術を開発する企業です。世界中のニュースを取り扱うWorldcrunchは、この脳波を使った飛行機操縦技術の具体的な活用法はまだ考えられていないものの、ドローンを使った飛行実験は行われる予定、と報じています。
ドローンを頭で考えただけで自由自在に飛ばせるようになれば、ゆくゆくはシャア大佐のように大量に放たれたミサイルの中から「そこか!」と核ミサイルのみを迎撃するという芸当もできるようになるかもしれません。
ファンネル - YouTube
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