驚くほど水をはじきまくる次世代防水スプレー「NeverWet」をさまざまなモノに試してみました
スプレーをかけるだけで、水が表面を転げ落ちるほど強いはっ水性を与えられる防水スプレーが「NeverWet」です。NeverWetはアメリカで発売後わずか1カ月で販売数が50万個を突破したほどすさまじいとのことなので、実際に水をはじきそうにないモノをNeverWetで防水加工してみて、どれほど水をはじくのか調べてみました。
Superhydrophobic Coatings | Corrosion Control & Waterproof Coatings | NeverWet
http://www.neverwet.com/
こちらが「NeverWet」です。
NeverWetは金属・木・アルミニウムの他にも繊維品や皮革品にも使用可能ですが、スプレーが乾燥して特殊な膜を形成するとざらついて白っぽく見えるので、繊維品や皮革品に使うときは注意が必要とのこと。
箱の中にはスプレー缶が2本と取扱説明書が2枚入っていました。
取扱説明書には屋内でスプレーしないことや、マスクと手袋を着用するなどが注意として記載されています。
ということで、マスクと手袋を用意。
今回NeverWetで防水加工してみるのは、布製の靴・革靴・ふきん・Tシャツ・帽子・板です。
まずは「STEP 1 Base Coat」をスプレーしていきます。
使用前にはよく振ること。
対象物から15~30cm離れてスプレーを噴射。「STEP 1 Base Coat」はシンナーの強い匂いがするので、屋内で使用するのは厳禁です。
ムラがないように靴の上の部分にもスプレー。
全体にスプレーしたら1~2分待機して再び「STEP 1 Base Coat」をスプレーします。
靴の裏にもシューッ。
「STEP 1 Base Coat」を振り終わったらこんな感じ。今のところ色には変化が見られません。
靴と同じ要領で帽子にもスプレーします。
Tシャツのような大きなものは、ムラがないようにしっかりとスプレー。
ふきんのように繊維の隙間が荒いものにもNeverWetは効果を発揮するのか。
板はNeverWetの実力をわかりやすくするため、半分だけスプレーします。
最後に革靴にスプレーして第1段階は終了。
スプレーが終了したら30分以上乾燥させます。
30分経過したら「STEP 2 Top Coat」の出番です。
スプレーの仕方は「STEP 1 Base Coat」と全く一緒。液だれしないように注意しながらスプレーします。
靴の裏も忘れないように。
帽子や……
革靴、他のものも同じようにして「STEP 2 Top Coat」をスプレー。スプレーし終わったら乾燥するのを待ちます。最低30分で乾燥しますが高い効果を得るには12時間から24時間乾燥させるとよいとのことなので、24時間待機。
24時間後、ようやく乾燥終了。
左側がNeverWetで防水加工した靴で、右側が何もしていない靴になります。
写真ではわかりにくいですが、NeverWetで防水加工した靴は表面がザラッとしています。
NeverWetをスプレーした革靴は色が青白く変化してしまいました。色がついている製品にNeverWetを使用するときは、色が変化してしまうことを覚悟したほうがよさそう。
◆水
まずは布製の靴と革靴に水をかけてNeverWetの実力をチェック。
容器に入れた水をかけてみます。
防水加工した布製の靴に水をかけている様子は下記のムービーから確認可能です。
NeverWetで防水加工した靴に水をかけてみました - YouTube
水を靴にかけると、まるでボールをはじくように水をはじいているのがわかります。
靴の表面に当たった水は、水滴となってはじき飛ばされていました。
水をかけまくった後に表面を確認しましたが、全くぬれていませんでした。
次は革靴に水をかけてみます。
防水加工した革靴に水をかけている様子は下記のムービーから確認できます。
NeverWetで防水加工した革靴に水をかけてみました - YouTube
革靴に水をかけると、布製の靴同様に水をはじきまくります。
靴ひも部分にかけてもこの通り。
面白いように水をはじく革靴
布製の靴同様、NeverWetで防水加工した革靴に水をかけまくっても一切ぬれることはありませんでした。
◆絵の具を混ぜた液体
次は、水に水性絵の具を混ぜて作った液体で実験してみます。
水性絵の具は緑色を使用
水性絵の具を混ぜて作った液体靴にかけている様子は下記のムービーから確認可能です。
NeverWetで防水加工した靴に緑色の液体をかけてみた - YouTube
靴にかけてみると、水同様にはじきまくります。
はじかれる水滴は美しく、思わず見とれてしまうほど。
NeverWetで防水加工していない靴にも液体をかけてみます。
液体をかけると靴の表面に残ってしまいました。
表面に残るどころか少し染みこんでいるのがわかります。
防水加工した靴と、していない靴を並べると、その差がはっきりとわかります。
防水加工した革靴にかけてみても、布製の靴と同じくきちんと水をはじいてくれました。
ここまで水をはじきまくると段々楽しくなってきます。
靴の次は板を使って実験。
防水加工した板に緑色の液体をかけてみた様子は下記のムービーから確認できます。
NeverWetで防水加工した木に緑色の水をかけてみました - YouTube
防水加工していない部分に液体をかけると、画像のように液体が表面に残ってしまいますが……
防水加工した面にかけると、液体がはじかれました。
思いっきりかけてみてもこの通り。
今度は緑色の液体に板をつけて実験。
防水加工した板を緑色の液体につけている様子は以下から確認可能です。
NeverWetで防水加工した木を緑色の液体につけてみました - YouTube
板を液体の中に沈ませて……
引き上げるとこの通り。
近くで見ても一切液体はついていません。
次は帽子で実験。
防水加工した帽子に緑色の液体をかけまくっている様子は下記のムービーから確認できます。
NeverWetで防水加工した帽子に緑色の液体をかけてみました - YouTube
勢いよく液体をかけてみても、結果は靴と同じく水をはじきまくり。
NeverWetの威力を思い知らされます。
液体をかけまくった後の帽子はピカピカです。
次はふきん。
ふきんを折りたたんで液体につけてみて、液体が染みこまなかったらNeverWetの勝利です。
液体につけて……
引き上げると液体がしっかりと染みこんでしまいました。
スプレーするとできる特殊な膜が防水してくれるのですが、ふきんのように繊維の隙間が大きいと効果が薄れてしまうようです。
◆水性ガーデンペイント
水性絵の具の次は水性ガーデンペイントで試してみます。
水性ガーデンペイントは赤色を使用。
先の液体と違って水性ガーデンペイントはドロッとしています。
ドロッとした水性ガーデンペイントを、布製の靴に投下。
水性ガーデンペイントは期待もむなしく、はじかれることなく靴の表面にべっとり付いてしまいました。
上から水をかけてみましたが、ペイントは落ちず。NeverWetの敗北です。
繊維部分では無理だったので、ゴム製のソール部分で試してみることに。
ソール部分でもペイントをはじくのは無理でした。
水を使ってペイントを洗い流してみます。
ペイントをかなり落とせたものの、はっ水性の効果をあまり感じられませんでした。
成功してくれと願いつつ、今度は革靴に水性ガーデンペイントをかけてみます。
布製の靴よりかはペイントをはじくものの……
ペイントがべっとり。
水をかけると多少とれましたが、赤色のペイントが残ってしまいました。
水性ガーデンペイントを使った最後の実験は板。
板をペイントに勢いよくつけて……
引き上げると靴に比べるとましですが、ペイントが表面に残りました。
表面のペイントを水で流すとこんな感じ。うっすらと赤色が付いてしまっているのを確認。
防水加工していない部分でも試してみます。
勢いよくつけて……
引き上げたらペイントがべっとり。NeverWetで防水加工した部分のほうが、していない部分よりペイントをはじいていましたが、NeverWetが水性ガーデンペイントにあまり威力を発揮しないことがわかりました。
◆キャノーラ油
今度はキャノーラ油を使って試してみます。
キャノーラ油を浴びることになるのは、水性絵の具を混ぜた液体をはじきまくった帽子。
勢いよくキャノーラ油を投下!
残念なことに帽子は、洗わない限りもう二度と使用不可能な状態になりました。
次は板にキャノーラ油をかけてみます。
恐る恐るキャノーラ油をたらすと……
油ははじかれることなく板の上に残りました。
油をティッシュで拭き拭き。
表面はサラサラになりましたが、油の後が残っています。
◆しょうゆ
最後は「Tシャツにしょうゆをこぼしてしまう」という、よくある状況を再現。なお、防水加工後のTシャツは表面がザラザラでゴワッとしているので、例えしょうゆをはじいたとしても、着られる状態ではありませんでした。
NeverWetで防水加工したTシャツは、しょうゆをはじくのか?
しょうゆをポタポタたらすと……
キレイにシミが残ってしまいました。
◆結論
NeverWetで防水加工すると、色が変色し表面がザラザラとしたり、ゴワッとしたりするので、衣服などに使用するのは無理があります。また、水に対する防水性能は劇的に高いものの、油分を含んでいる液体やどろっとしている液体に対しては効果が薄れます。NeverWetを使用するのであれば、色が白、もしくは白に近い製品や表面の質感が変化しても問題ない製品にしておいたほうがよさそう。また、電子機器には使用できないので注意が必要です。
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