マルウェアを使用して大金を盗み出した複数のウクライナ人ハッカーが初出廷
By Simon Liu
ZEUSというマルウェアを使用してオンラインバンクから複数の口座アカウント情報を盗みだし、不正に数百万ドル(数億円相当)もの大金を引き出した容疑で、イギリス在住のウクライナ人2名が裁判にかけられることになりました。
Justice Department says Ukraine-based hackers used malware to steal millions | Technology | theguardian.com
http://www.theguardian.com/technology/2014/apr/11/justice-department-ukraine-hackers-zeus-malware
9人のハッカーが共謀し、ZEUSというマルウェアを利用してオンラインバンクのアカウント情報を集め、このアカウント情報を利用して複数口座から不正に何百万ドルもの大金を盗んだことをアメリカ司法省が金曜日に明かしました。
アメリカの大陪審では2012年8月時点で被告不在のまま9人のハッカーを起訴。2014年になってようやく被告のうち2名がネブラスカ州に送還されました。そして4月11日に罪状認否が行われ、ここでようやく起訴状が開封されることになったそうです。
裁判所文章によると、この2名以外の被告のうち4名はウクライナやロシアに住んでいて現在も手配中で、その他3名については身元がいまだ明らかになっていないとのこと。
By Christophe Verdier
ZEUSウイルスは悪意のあるソフトウェアの1つで、クレジットカード情報やその他財務資料を盗み出すためにこれまでも広く使用されてきたものです。過去にはMicrosoftが金融業界と協力しZeusボットネット撲滅作戦に成功といったニュースも飛び交いましたが、それ以降も国内外で猛威を振るっています。
なお、被告はEMCコーポレーションのRSA SecurIDなどのセキュリティを突破するためにマルウェアを使用し、さらにアメリカ市民を「マネーミュール」として利用して、全米自動決済機関やその他の州間システムを使用して被害者の口座から自身の口座にお金を移動させた、と検事側は主張しています。
By Lisa Brank
アメリカ司法省によると、FBIのOmaha Cyber Task Forceがこの事件を調査し、イギリス・オランダ・ウクライナの法執行機関と協力してようやく被告を裁判所に連れてくることができたとのことです。
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