Microsoftがストレージサービス「SkyDrive」を「OneDrive」に名称変更

Microsoftが2008年に正式サービスを開始した、無料で7GBのストレージ容量を利用できるオンラインストレージ・ファイル共有サービスの「SkyDrive」は、近日中に名称が「OneDrive」へと変更されることが明らかになりました。

OneDrive ですべてのデータを 1 か所に - The Official Microsoft Japan Blog - Site Home - TechNet Blogs
http://blogs.technet.com/b/microsoft_japan_corporate_blog/archive/2014/01/28/onedrive-1.aspx

クラウド型のオンラインストレージサービスであるSkyDriveのサービスを使うと、インターネットがある環境であればファイルの保存・閲覧はもちろん、外出先からのファイルへのアクセス、一つのファイルを使っての共同作業ができ、たとえば外出先でスマートフォンに残したメモ書きを自宅や職場のPCで開いて確認することもできます。

同様のオンラインストレージサービスではGoogleが提供する「Googleドライブ」やAppleの「iCloud」、そして「Dropbox」などのサービスが存在していますが、Microsoftは下記のようなサービス機能比較表を作成してウェブサイト上で公開しています。

◆機能比較表(Microsoft作成)
SkyDrive以外のストレージサービスでは、対応するOSやプラットフォームが限定されていることがあります。

オンライン上での共同作業は、SkyDriveの圧勝。スマートフォン向けのメモ機能であるデジタルノートは、GoogleドライブとDropBoxでは提供されていません。

いくつか注釈はあるものの、SkyDriveは他サービスよりも多くの機能を提供していると記載されています。

まさに機能の「全部載せ」といっても過言ではなさそうなSkyDriveを「OneDrive」という名前に改める理由について、Microsoftは「『写真や動画、ドキュメントもすべて、1か所に』というビジョンを『一番よく表現している』」と説明しています。

しかし、英語版のSkyDriveのサイトでは、もう1つの理由としてイギリスのTV局「Sky」を運営する「ブリティッシュ･スカイ・ブロードキャスティング(BSkyB)」社との商標を争う訴訟の結果であることが明らかにされています。

Microsoft concedes to BSkyB over SkyDrive trademark
http://www.computerweekly.com/news/2240202874/Microsoft-concedes-to-BSkyB-over-SkyDrive-trademark

BSkyB社はヨーロッパにおいて各種デジタルサービスの名称として「Sky」という商標を登録しており、Microsoftの「SkyDrive」という名称がこれを侵害するものとして異議を申し立てていました。2012年7月末、商標争いはMicrosoft側が敗北したことで和解が成立し、一定の期間後に別の名称へと移行することが決定していたことから、今回の名称変更へとつながっています。

Microsoftは以前にもWindows 8に搭載された新UI「Metro」という商標をめぐってドイツの企業グループであるMETRO A.G.と争った結果、その名称を「Modern UI」に変更したという経緯がありました。

具体的な移行スケジュールは明らかにされていませんが、Microsoftによると現状のサービス利用者は何も対応する必要はないとのこと。SkyDrive Proのユーザーも、OneDrive for Businessの準備ができ次第スムーズに移行できるとしています。最新情報が必要というユーザーは、下記ウェブサイトで通知メールを送ってもらうよう登録しておくことも可能です。

OneDrive is coming soon.
https://preview.onedrive.com/