新型Mac Proがさっそく分解され、意外なメンテナンス性の良さが判明

2013年12月19日、Appleは新型Mac Proを発売しましたが、あまりにも斬新なデザインは「クール」という意見もあれば「ゴミ箱」と揶揄(やゆ)する声もあるなど賛否両論です。そんな新型Mac Proを、新型ハードウェアが発売されるとすぐに分解し、その様子を公開してしまうリペア集団iFixitがさっそく分解しています。奇抜なデザインの奥には、Appleの緻密なハードウェア設計が隠されているようです。
Mac Pro Late 2013 Teardown - iFixit
http://www.ifixit.com/Teardown/Mac+Pro+Late+2013+Teardown/20778
Mac Proのパッケージは真っ黒。

Mac Proはアルミ缶のようなデザインです。

こちらが背面。電源ボタン、HDMI出力、USB3.0端子、Thunderbolt端子、デュアル・ギガビットLANと電源コネクターが装備されています。

天面は、筐体内のエアを排出します。Appleのハードウェアには珍しく、ロックスイッチを解除すれば、外装カバーは簡単に取り外し可能。

カバーを取り外すとこんな感じ。写真で見える2枚の基板はデュアル・グラフィックボード。

写真右にはメモリを増設するスペースが用意されています。

メモリはこんな感じで挿入されており、交換は簡単です。

メモリはエルピーダ製。16GB×4の最大64GBまで対応。

T8サイズのネジを外すと、SSDを取り外せます。

SSDはコントローラー(S4LN053X01-8030)・フラッシュメモリ(K9HFGY8S5C-XCK0)ともにSamsung製。これは、最新のMacBook Pro・MacBook Airと同じ組み合わせ。


トップカバーを取り外します。

Mac Proは、基板を立体的に組み合わせて構成されていることがよく分かります。

トップカバーはファンを内蔵。ファンはこの1つだけ。

プラスチック製のトップカバーを外すと……

無線LANカード「AirPort」がセットされています。

3つのネジを外せばファンにアクセス可能。

AirPortカードは最近のApple製品ではおなじみのパーツ。

赤枠がBroadcom製BCM4360Wi-Fiトランシーバーチップ、オレンジ枠がBroadcom製BCM20702Bluetooth 4.0チップ、黄枠はSkyworks製SE5516デュアルバンドWLANモジュール。

裏面には4つのアンテナコネクター。

金色のパーツはアンテナです。

ファンを取り外すと、ブラシレスモーターはNidec製AG720K01という型番が確認できます。

オレンジの丸で囲まれているのがA5940LPTという型番のコントローラーチップ。

こちらは基板を上から見た様子。CPUやGPUを冷却するために巨大なヒートシンクが鎮座しています。

まずは、FCI Meg-Arrayコネクタを外します。

次にプラスチッククランプを解除。この裏には AMD FirePro D300グラフィックチップが内蔵されています。

するとグラフィックボードが取り外せます。

2枚とも取り外すとこんな感じ。

写真の赤枠がAMD FirePro D300チップ。オレンジ枠はエルピーダ製GDDR5メモリW2032BBBG(2GB)。

一般的なFireProチップが中国製であるのに対して、Mac Proのチップは台湾製です。

SSDのスロットはグラフィックボードにあります。SSDスロット付のグラフィックボード2枚を使えばSSDもデュアルで使えるのでしょうか?

続いて、円盤型のドーターボードも、フラットケーブルに注意しながら取り外します。

赤枠がIntel製BD82C602Jチップセット、緑枠がTexas Instruments製LM393。

カバーを外し分解すると……

IOパネルとセットになった電源(左)とロジックボード(マザーボード)(右)。

ロジックボードを取り外すと、そこにはCPUが隠されています。

CPUはIntel Xeon E5-1620 v2。グリスでヒートシンクに張り付いたCPUを慎重に剥がしていきます。

CPUの換装もそれほど難しくはなさそう。「Xeon E5-2697 V2で12コア化」という期待が膨らみます。

非常にコンパクトなロジックボード。赤枠がLGA 2011ソケット。

メモリスロットは裏面に。

IOボードと電源を分離。

これはポートボード裏面。赤枠がBroadcom製BCM57762ギガビットイーサコントローラー、緑枠がParade製PS8401A・HDMIコントローラー、オレンジ枠がIntel製DSL5520Thunderboltコントローラー、黄枠がFresco Logic製FL1100・USB3.0コントローラー。

こちらがポートボード表面。赤枠がPLX Technology製PEX8723・PCI Expressスイッチ、黄枠がCirrus製4208-CRZオーディオチップ。

Mac Proの電源は450Wでファンレス構造。

IOパネルカバーも取り外して分解終了。

Mac Proはこんなパーツ構成になっていました。

iFixitによると、新型Mac Proの分解(修理)難易度は10段階の「8」と比較的簡単な部類とのこと。コンパクト化を実現するために、ほとんどのパーツはモジュール化されており分解は容易。メモリはもちろんCPUの交換もそれほど難しくはありません。ただし、いくつかの新設計のコネクターやケーブル類の取り扱いは、マニュアルなしではリスクを伴うので注意が必要だそうです。
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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log
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