面接の場では「わからない」と言える雰囲気づくりがよい結果を生むという調査結果
By Jared Cherup
面接の席では限られた時間の中で面接対象者の内面を探る必要があるために、「圧迫面接」などさまざまな手法が用いられます。しかし、本当に実りのある面接を実施するためには、面接対象者にプレッシャーを与えるような手法よりも、正直に「わかりません」と言える雰囲気を作った方がよいという実験結果が発表されました。
Encouraging Interviewees To Say “I Don’t Know” Improves Performance.
https://business.mega.mu/2013/10/23/encouraging-interviewees-say-i-dont-know-improves-performance/
実験には78名の大学生が参加しました。対象者にはまず暴力的な強盗のシーンと警察によるチェイスのムービーを見せ、その直後にムービーの内容について自由に回答させます。次に、その記憶をかき回すために論理的問題を20分間にわたって解かせ、最後に参加者をランダムに3つのグループに分けてムービーについて24個の質問を行いました。
By Gvahim
◆グループ1:「わかりません」を推奨
このグループのメンバーには、不確かな質問がきた場合には「わかりません」と表明するよう指示を行い、それは「ムービーの中に入っていた内容だが覚えていない」のか「元からその内容は含まれていない」のどちらかを明確にさせました。
◆グループ2:「わかりません」無し
このグループに対しては、どうしても必要なとき以外は「わかりません」と答えないように指示しました。
◆グループ3:「自由対応」
このグループに対しては特に指示を与えず、自由に回答させました。
結果、グループ1の「わかりません」を推奨されたグループは他のグループよりも誤答が少なく、正答率が一番高かったことが明らかになりました。また、正解の数も他のグループと同等であったことから、回答を避けるために安易に「わかりません」という言葉を使ったわけではないこともわかりました。
一方のグループ2とグループ3のあいだには明確な違いはなく、ともにグループ1よりも悪い成績となりました。これは、人というものは基本的に「わかりません」とは答えようとしない傾向があり、結果的に正しくない回答を行ってしまうということを示しています。
By Ronan
さらにこの実験を補完するために、こんどはムービーを見せてから回答までに7日間の時間を設けて同様の実験をおこないましたが、結果は1回目と同じ傾向を示し、グループ1が最もよい成績を残しました。
結果、面接の席においては参加者に「わかりません」と言える雰囲気を作って正直に回答させたほうが、回答の精度とレスポンスが向上することがあきらかにされました。
「わからない」と答えることは自分の無知だと言ってしまう不安になるものですが、正直に回答することがよい結果につながるといえそうです。そして、面接を実施する側もこの傾向を考慮すると、同様によい結果を得ることができるといえるでしょう。
By bpsusf
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