1ドル(約80円)から出資に参加できる軌道エレベータを作るためのプロジェクト
月面と地球を結ぶ「軌道エレベーター(宇宙エレベーター)」を作るプロジェクトを行っているLiftPort Groupが米国のクラウドファンディング支援サイト「Kickstarter」で出資を募っています。
以下がLiftPort GroupのMichael Laine社長。一見するとスペースサイエンスに携わる人っぽくは見えませんが、本人によると既に11年も軌道エレベーターのプロジェクトを主導してきた実績があるとのこと。なお、当初はNASA傘下の団体で実験を行い、その後は私企業として活動を続けているそうです。
また、かつては「Newsweek」の特集記事にも登場していましたが2007年にプロジェクトが閉鎖されてしまい、今回、再起復活をかけてKickstarterで資金集めを行っているというわけ。
現在のプロジェクトメンバーは以下の通り。
実験に使用されたバルーン。
バルーンは地上にあるアンカーと黄色いベルトでつながっています。
下から見上げた所。
地上とバルーンをつなぐベルトを登っていくマシンはこんな感じ。
実際に作動している様子は以下の通り。
1000フィート(約305メートル)上空に浮かぶバルーンに向かってマシンがベルトの上を移動していく様子を撮影したムービーは以下で見られます。
Space elevator 1000 foot climb test - YouTube
完成時のイメージイラストはこんな感じ。
で、プロジェクトの目的である「月まで届くエレベーター」をどのように作るのか?というのを説明したCGムービーは以下の通り。
Lunar Space Elevator Infrastructure - YouTube
宇宙に打ち出された輸送船のようなもの。
発進。
月に向かっているようです。
ある程度の距離まで進むと……。
中からアンカーとベルトが出てきます。
ベルトがどんどん伸びて……。
進んで行きます。
先端が月面に到着。
しっかりと固定。
地球側にはこんな感じで中継基地があります。
そこからエレベーターを送り出すと……。
月面まで人や物資を今よりも効率よく届けられるようになるそうです。なお、月に向かうエレベーターは300万ドル(約2億4000万円)の資金と8年の歳月で実現が可能とのこと。
というわけで、今回の公募で集められた資金は上記のような遠大な計画を始めるための実験として2キロ上空に設置したテストプラットフォームまで登ることができるマシンを製作するために使用される予定です。なお、このプロジェクトへは1ドル(約80円)から参加可能で、出資に応じてメルマガを受信したりエレベーターに使用されているベルトの破片をもらったりできます。また、7500ドル(約60万円)以上を出資すれば組み立て済みのロボットが送られてくるとのことで、参加締め切りは日本時間の9月13日(木)午後6時7分となっています。
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