CGではなく1コマずつ撮影するストップモーションアニメのすごさがわかる映画「ParaNorman」メイキングムービー

コララインとボタンの魔女を作ったアニメーションスタジオLAIKAが製作した、幽霊やゾンビと話すことができる少年が100年前にかけられた呪いから街を守る映画「ParaNorman」が2012年8月にアメリカで公開されますが、そのメイキングムービーがYouTubeにアップされています。ParaNormanは一見すると普通のCGアニメなのですが、実は1コマ1コマ人形を動かして作ったストップモーション・アニメーション。人形や街から小物まで手作業で作り、動かしているのですが、その作業のすさまじさがよくわかるムービーとなっています。

本編の予告編は以下のムービーから見ることができます。

ParaNorman | Official Theatrical Trailer - Rated PG [HD] - YouTube


人形が作られていく様子はこちら。

ParaNorman | Making Norman - YouTube


「MAKING NORMAN（ノーマンができるまで）」

まずはデザイン画を描きます。

デザイン画に合わせて骨組みを制作。

ノーマンの骨格ができあがりました。

型の中に入れます。

ちょっとずつ肉付け。

ぴったりフィットしました。

肌色の液体を注射器で注入。

フタを閉めます。

まるで棺桶のよう……。

何やらいかつい道具で固定。

しばらく放置します。

隙間にナイフを突き刺して、型を開けます。

こんな感じ。おしりまでくっきりと形がわかります。

余分な部分を削ります。

続いてスッポンポンのノーマンに服を着せていきます。ジーンズの大きさを確かめて……

ノーマンに装着。

靴も履いてもらいます。

シャツも直接体に大きさを合わせていきます。

着衣。

続いて顔を作ります。

削って……

黒い部品を装着。

目を取り付けます。

まぶたや耳もプラス。

髪の毛をつけて……

最後に顔をかぽっとはめます。

眠っているようなノーマン。

起床したようです。

こうして、起き上がったノーマンはいつもの日常へと歩き出します。

そして、映画のメイキング・ムービーは以下から。

ParaNorman : Hand - Making the World Featurette [HD] - YouTube


ParaNormanはCG映画に見えますが、静止している物体を1コマ毎に少しずつ動かして撮影するストップモーションアニメです。

1コマずつ、人形を動かしながら撮影していきます。

舞台セットの中に入って動かします。

動かしては……

撮影。

動かしては……

撮影、という気の遠くなるような作業。

小さなセットの上で撮影しています。

上記の写真が、映画ではこんな感じに。

撮影した写真をつなげて映像にしたものを、CGで加工するとこんな感じ。

リアリティーのあくなき追究。

家や街そのものも1つ1つハンドメイド。

ミニチュアサイズには見えない完成度。

ノーマンを動かすスタッフが残像のようになっているのは、メイキング・ムービーの一部もストップモーションのため。

夕日に向かって自転車を走らせるノーマン。

もちろんインテリアや自動販売機など、小物も全て手作業で作っています。

ランプ1つをとってもデザインから始まって、実際に機能するところまで再現します。

ノーマンの顔は上と下で分かれており、表情を変える際に付け替えが可能。

下半分をはずして……

「うへえっ」

ノーマンの友人の表情も付け替えできるようになっています。

ちょっと不気味です……。

かくしてノーマンは映画「ParaNorman」の世界を生き生きと動き回るようになるというわけです。

さらに、以下のムービーでは映画「ParaNorman」のレシピが公開されています。

ParaNorman | Faces of ParaNorman - YouTube


◆材料
人形 300個
顔 4万個
舞台セット 50個
X-アクト・ブレード 5000個
レア・アース・マグネット 6万6400個
紙やすり 729枚
ホワイトレジン 2ガロン（約8L）
ゴム手袋 2万5000枚
巨大な倉庫 1件

◆BAKING FACE（焼きたての顔）
プリンティング・パウダー 8000ポンド(約3630kg)
スーパー・グルー（接着剤） 77ガロン（約290L）

◆おまけ
オリンピックにちなんで、ゾンビが生き生きと器械体操に挑戦しています。

ParaNorman | Nailed It - YouTube