見えていないはずなのに無意識に見えている「盲視(ブラインドサイト)」が日常生活で起きることを証明

By horrigans

盲視(blindsight・ブラインドサイト)とは何かというと、視覚に関する脳の損傷によって視力が全くなかったり、知覚的に見えていない状態であったりするにも関わらず、「とりあえず当てずっぽうで良いのでどこにあるかを指さしてみて」と言われたときに「チャンスレベル以上の有意な水準で予測できる」ことで、これが特殊な条件下で無くても、日常生活で起きることが証明されたそうです。

「見えてないのに無意識に見えている」盲視を日常生活シーンで証明 ―脳血管障害による視覚障害で"見えている"と意識しなくても「動き」「明るさ」「色」で目立つ部分には目を向ける―/自然科学研究機構 生理学研究所
http://www.nips.ac.jp/contents/release/entry/2012/06/post-217.html


これが「見えていると意識できないのに見えている」という盲視のイメージ図。本人は見えていると意識できていないにもかかわらず、眼球運動など一部の視覚機能は損傷から回復させることができる、というわけです。


通常、眼の「網膜」で見た情報は「視床」を経由して「視覚野」に送られ、ここで初めて「見ている」として意識されるのですが、伊佐教授ら研究チームのこれまでの研究成果から、脳梗塞などで「視覚野」が障害を受けた場合には中脳の「上丘」を介して脳の中に無意識に情報が伝わっていくことがわかってきた、とのこと。


これが盲視のサルの「見え方」のイメージ画像。視覚障害の盲視のサルでも視覚情報の中から「動き」「明るさ」「色」といった画像情報の特徴をとらえ、目を向けることができる、つまり「見えていないのに無意識に見えている」わけです。


今回、研究チームは、実験室の特殊な視覚刺激条件ではなく、日常生活のシーンの中でも、盲視現象が生じるかどうかを日常生活シーンの映像を利用して検証し、特に見えないはずの視野の中でも「動き」「明るさ」「色」で目立つ部分には目を向けることができることを明らかにした、とのこと。つまり、目の動きをみるだけで、見えないながらも、無意識にどこに注意をむけているのかが分かるそうです。


吉田助教によると「脳血管障害による視覚障害患者(脳梗塞後の同名半盲など)において、盲視の能力が日常生活でも使える可能性を明らかにしたことで、視覚障害患者でもリハビリなどによって視覚機能回復を行う意義と可能性を示したといえます。また、“ムービークリップ視聴中の眼球運動の測定”という検査方法によって、どの程度(無意識に)見えているのか検査することが可能ということもわかりました」と話しており、脳血管障害による視覚障害患者の視覚回復とそのリハビリテーション法開発へ道ができていく可能性がこれによって大きくなってきた、というわけです。

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in サイエンス, Posted by darkhorse