力技ではまず外すことができない進化版知恵の輪「キャストパズル」レビュー
古今東西の名作やデザインコンペで入賞したパズルを亜鉛合金で鋳造して再現したハナヤマの「キャストパズル」は形状のユニークさはもとより、一般的な針金製の知恵の輪と違い力で曲げて解くことはできないほどの強度があるため作者の意図した解法以外ではまず外すことができないという特徴をもった「進化版知恵の輪」といった感じの製品。
ネットでチェックしてみたところドーナツ型や四角い板の中にボールがはまっているパズルなど、写真を見るだけでは一体どのように解いていくのか全く見当が付かない奇抜なモノが多数見つかったので、実際に購入してどのように動くのか、どれほど難しいのかを試してみることにしました。
なお、この記事では「解法」などのネタバレはしていませんが、一部解き方ヒントになるかもしれない内容を含んでいます。「完全に自力でパズルを解きたい」と考えている人は閲覧に注意して下さい。
現在ハナヤマから発売されているキャストパズルは全部で54種類ありますが、今回はデザインや動きがおもしろそうなモノを選んで45個をAmazonで購入。おなじみのロゴ入り段ボール箱で届きました。
箱を開けるとこんな感じでパズルが詰まっています。
積み上げてみると一生遊べるのでは無いかと思えるほどのボリューム。
購入したものを全て並べるとこうなります。
さすがにこれ全てを解いて戻して……というのはあまりにも時間が掛かりすぎるので断念し、10個に厳選。ハナヤマのサイトで行なわれている人気投票でベスト3に入ったものと、見た目がおもしろくて難易度もそこそこ高そうなモノを編集部で選んだものが以下になります。
ちなみに、箱を開けると内ブタに「パズルを解く“楽しみ”と“苦しみ”を充分味わっていただくため、解答図は入れておりません」との記述がありました。「苦しみ」も充分に味わってとはなかなかのドSコメント。
まずは、人気投票第3位の「CAST ELK(税込み1029円)」。19世紀末にイギリスで起こったパズルブームの際に登場したヘラジカの角をかたどったデザインの復刻版です。
実際に動かしている様子を約45秒にサクッとまとめたムービーは以下です。
立体パズル「CAST ELK」レビュー - YouTube
一見通せそうな隙間でも微妙に引っかかってしまい、正しい角度と手順を選ばなければ抜くことはできません。
外れるとこんな感じ。
次は人気投票第2位の「CAST QUARTET(税込み1029円)」。
トータルのパーツ数は4つですが対になっているのでパッと見たところは2パーツのよう。
外すことができず、かといってもとの形に戻すこともできないままひたすら苦戦している様子は以下のムービーで見られます。
立体パズル「CAST QUARTET」レビュー - YouTube
適当に動かしていると絡まってしまい身動きが取れなくなります。
やっとの思いでバラバラにすると、ちゃんと4つの四角い枠に分かれます。
人気投票1位は「CAST MARBLE(税込み1020円)」。中央に回転する球を備え、それを挟む枠を外すと4つのパーツに分かれるという構成です。
一体どんな感じで真ん中の球が動くのかよくわかるムービーは以下です。
立体パズル「CAST MARBLE」レビュー - YouTube
よく見ると内部の球にも切れ目が入っておりこの部分が解き方のヒントになりそう……。
次は「CAST COIL(税込み1029円)」。コレはどう見ても四角い鉄の塊……。一体どうやって動くのか皆目見当が付きません。ちなみに、「コイル」という名前の由来は、パーツがグルグルととぐろを巻いているからとのこと。
まったくどこのパーツも動かすことができず、反則ワザまで使っても手も足も出ていない様子は以下のムービーで確認して下さい。
立体パズル「CAST COIL」レビュー - YouTube
ちょっとしたパーツのかみ合わせをずらすだけでスルリと2つに分かれるから不思議。
外れるとこんな感じ。こうなってしまうと逆にもとの形が想像できません。
コレもパズルとは思えないネジ型の「CAST NUTCASE(税込み1029円)」。
パズルで遊んでいる、というよりかはネジを回しているようにしか見えないプレイムービーは下でチェックできます。
立体パズル「CAST NUTCASE」レビュー - YouTube
内部には小さなネジが入っていました。本体を振るとカラカラと音がする正体はコレです。
次はほどんど継ぎ目がないように見えるなめらかなデザインが秀逸な「CAST DONUTS(税込み1029円)」。
実際に動かしているところは以下のムービーでどうぞ。
立体パズル「CAST DONUTS」レビュー - YouTube
輪を横から見るとわずかに切れ目が入っています。
最終的には4つのパーツに分かれます。
こちらは箱に手裏剣が刺さっているような形状がユニークな「CAST O'GEAR(税込み1029円)」。2001年にオランダで行なわれた第1回「パズルデザインコンペティション」の入賞作品ということもうなずける奇抜なデザインです。
箱形のパーツと微妙につながったまま手裏剣型のパーツが移動していくトリッキーな動作は以下のムービーで見られます。
立体パズル「CAST O'GEAR」レビュー - YouTube
矢じりの様な形をした先端部分は箱の中で回転させることができます。
外れた後はこんな感じです。
やぶれた提灯のようなケースの中に星形のパーツが入った「CAST CAGE(税込み1029円)」。パズルコレクター兼デザイナーのNOB芦ヶ原氏がプラハで見た真鍮製のパズルを元にして作ったというもの。
中にある金色の星形パーツが取れそうで取れない様子は以下のムービーで確認してみて下さい。
立体パズル「CAST CAGE」レビュー - YouTube
破れ口の形状に合わせて星形の内部パーツをクルクルと動かすと、徐々に外に出していくことができます。
外れたところ。
一見すると針金の知恵の輪近いような形状に見えますが、3つのパーツが組み合わさった高難易度の「CAST ENIGMA(税込み1029円)」。
複雑怪奇な形状に翻弄されている様子は以下のムービーでご覧下さい。
立体パズル「CAST ENIGMA」レビュー - YouTube
この長く飛び出したパーツがジャマをして思うように動かせないので、一向に絡まりが解けません。
やっとの思いで片側を外すことができました。
ちゃんと外すと3つのパーツに分かれます。
最後はもはやパズルと言っていいのかわからないほどトリッキーな外し方をしなければならない「CAST NEWS(税込み1029円)」。
なにも動かすことができずただクルクル動かしているだけになっていますが、そのこと自体がこのパズルの難しさをストレートに表しています。
立体パズル「CAST NEWS」レビュー - YouTube
横から見ても同じ。絶望的なまでに何も動かせません。
しかし、外れるときは一瞬。ヒントは「普通の力の伝え方」ではないやりかたでパーツを動かすことです。
なお、外したキャストパズルはもとの形に戻すのが鉄則。分解の手順を逆向きに行なうだけなので簡単に思えますが、一筋縄ではいかないのでこちらも挑戦しがいがあります。
ちょっと気分転換をしたいときや頭の体操にはもちろん、部屋のインテリアのひとつとしても活用できるので、この記事を参考にして気に入ったギミックやデザインのキャストパズルを見つけてチャレンジしてみて下さい。
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