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ソニーが「PlayStation 4」ですべきこと、すべきではないこと

by mayaibuki.com

2006年11月に「PlayStation 3」が発売されてから5年が経過しました。ソニー内部ではPlayStation 4プロジェクトが進んでおり、2013年から2014年ごろに登場するのではないかと言われていますが、ウォールストリートジャーナルによると、残念ながら今年のE3でPlayStation 4を発表する予定はないとのこと。

※追記:2013年2月20日開催の「PlayStation Meeting 2013」でPS4が発表されるのではないかという噂です。

ゲーマーであればどんなハードが作られているのかと気になるPS4ですが、ソニーがPS4ですべきこと、すべきではないことをIndustryGamersがまとめています。


PlayStation 4: What Sony Should and Shouldn't Do - IndustryGamers

◆これまでの失敗から学ぶこと
当然といえば当然ですが、これまでの数々の失敗から反省を得て、それを生かして欲しい、ということ。PlayStation 3には最新技術が詰め込まれましたが、消費者はソニーが思っていたほどには買ってくれませんでした。ゲーム機で599ドル(日本では20GBモデルで6万2790円)という価格設定が非常に衝撃的なものだったというのも大きいです。

現在、ゲーム産業は「赤字覚悟でゲーム機本体を売り、ソフトの売上で回収する」という、カミソリの刃の上を渡るようなビジネスモデルで成り立っていますが、本体の価格をそもそも消費者が想定している幅から逸脱したような設定にするのは、自分の足を撃っているようなものです。399ドル(約3万円)以上でゲーム機を売り出すと、また蹴つまずくことになってしまいます。

◆アップデートをもっとゆっくりにすること
PS3ではシステムアップデートが冗談かというほどの頻度で行われましたが、その冗談はあんまり笑えません。ゲーム機の電源を入れてから5分間、強制的にアップデートが行われる様子を見つめたいユーザーなんていないのです。マイクロソフトがXboxでやっているようにほとんどアップデートがなく一貫性もないというのも困りものですが……。解決法は、バックグラウンドで更新ファイルのダウンロードとインストールを行うことです。こうすれば、ゲームをする前にアップデートが始まって興が削がれるということはなくなります。

◆ゲームを越えたところに着目すること
任天堂は長らくゲーム以外のコンテンツを入れることにほとんど興味を持たず、マイクロソフトはセットトップボックスをXboxに内包した世界を目指して急いでいるように見えます。しかし、ソニーは「PS3でどうしたいのか」という点でまごついていたように感じられます。消費者向けの技術が進化していく世の中で、マイクロソフトはゲーム機を、ゲームに興味がない人も含めて家族全員で使えるものにするという利口な道を選びました。その道を選ぶのに、ソニーよりも有利な企業はありません。

ソニーがPSN向けに配信しているリアリティ番組に「The Tester」があります。あまり注目されていないかも知れませんが、これはPlayStationファン向けプログラムのよき第1歩となっています。これについては、マイクロソフトも「The Guild」というウェブベースのコメディドラマシリーズを展開中。

PlayStationはソニーの持つ膨大な音楽サービスの基点にもなれる存在なので、大物歌手による無料ライブや特典コンテンツなどの配信を行うという手もあります。

◆クロスプラットフォームを採用すること
どれだけ人々が「PCゲームはもうダメ」「終わったコンテンツ」と言おうとも、PCはまるで怪僧ラスプーチンのように何度でも甦ってきます。マイクロソフトのPC向けゲームがうまくいっていない今、ソニー(ソニーオンラインエンタテインメント、SOE)がPCゲーム向けに適切なてこ入れをすることができれば、大きな資産とすることができます。

クロスプラットフォームで遊べる」というのは非常に魅力的です。しかし、実際には誰もが予想していたよりもはるかに長期間にわたって開発が立ち往生、完全に勢いを失ってしまったDCユニバースぐらいしかありません。そこでSOEが立ち上がることで、ゲームプレイの新たな形を提示することができるはずです。

クロスプラットフォームで遊べるMMORPGは、開発に長期の時間が掛かること、ゲーム機の寿命が長くなったことで、いまだ姿を見せていません。しかし、PCとPS4で提供される予定の「EverQuest3(EQ3)」は、そうなれる可能性があります。

◆マルチプレイヤーを改善すること
現在、オンラインゲームをリードしているのは年会費60ドル(約4600円)でサービスを提供しているマイクロソフトだと見られています。マイクロソフトの提供しているゲームのオンラインマッチングシステムや滑らかなインターフェイスは、あちこちのオンライン要素を含むゲームのお手本となっています。ソニーは、無料でマルチプレイヤーゲームを提供するという点で先んじることができますが、そのためにはコミュニケーション部分とマッチングシステムの劇的な改良が必要です。

◆あまり性急に動かないこと
ここからはソニーがすべきではないことです。

ゲーマーたちはいつでも商品棚の光り輝く新製品に興味を持ちます。「PS4をリリースする」ということは、すなわち「ソニーがPS2に幕を引く」ということでなければなりません。同じような名前の商品が3つも並立していると、消費者にいらぬ混乱を与えるだけです。

しかし、PS2はまだかなりの勢いで売れており、現時点で純利益を上げているゲーム機でもあります。年末年始の休み中には世界中で50万台のPS2が売れています。ちなみに現在、PS2がよく売れている地域は東欧や中東、東南アジア、南米など。

◆コアとなる部分から離れすぎないこと
PS3の「PlayStation Move」はなかなかよいアドオンでしたが、マイクロソフトのKinectがXboxを変えたほどには革新的ではありません。

PlayStationのプレイヤーたちはデュアルショックが好きで、たとえ新たなコントローラーの可能性を探っていても、「搭載してくれ」と要望が来るほどです。システムにモーションコントローラーを組み込むことはいいのですが、それがPS4の大部分になるようであれば、カメラをシステムに統合して楽にセットアップできるようにしてください。

◆「クラウド」に気をつけること
PSPgoが大失敗に終わった理由はいくつかありますが、コンテンツがすべてクラウドで(ネット経由で)配信されるという点があります。クラウドサービスは確かに今後、ゲーム業界でも大きな要素となっていくものですが、クラウド時代の到来は思っているほどは早くありません。

ソニー製品の主要な客層は、フルデジタル流通への準備がまだ完了していません。プロフィールとセーブデータをクラウドに保存すべきか、一度購入したソフトはオンラインからダウンロードできるようにするべきか、というと「はい」ですが、まだまだ消費者はゲームをデータとしてではなく、ソフトとして実際に手にしたいと考えています。

確かに、これらの助言は聞き入れて欲しいものばかり。しかし、2013年か2014年、PlayStation 4が出てきたときに、まだ据置機を買ってまでやりたいゲームというのはあるのでしょうか……。PS4はゲーム機ではなくBDプレイヤーや次世代ディスクプレイヤーとして扱われることになるかもしれませんね。

2013/02/01 15:25
2013年2月20日にニューヨークで開催される「PlayStation Meeting 2013」の中で、PS4が発表されるのではないか?という話が出てきています。

PlayStation 4(PS4)が2月20日開催の「PlayStation Meeting 2013」で発表か


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in ハードウェア,   ゲーム, Posted by logc_nt

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