チャンピオン決定なるか、ナイトレースのF1世界選手権シンガポールGP結果
by WenWei Sum
9月25日にF1世界選手権シンガポールグランプリの決勝レースが行われました。今年のF1世界選手権はレッドブルのセバスチャン・ベッテルが圧倒的な強さを見せており、このレースでベッテル1位、そしてフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が4位以下、ジェンソン・バトン(マクラーレン)とマーク・ウェバー(レッドブル)が3位以下になるとここでベッテルがチャンピオンに決定するというほどの差が開いていました。
Race - perfect Vettel made to wait for title - The Official F1 Website
2011 FORMULA 1 SINGTEL SINGAPORE GRAND PRIX - The Official F1 Website
ベッテルはこのレースでもポールポジションを獲得。2番手にはアロンソやバトンを押さえる役割を期待されるウェバーが入りました。まだベッテルにチャンピオンを決めさせたくないバトンとルイス・ハミルトンのマクラーレンコンビが3番手4番手、さらにアロンソとフェリペ・マッサのフェラーリコンビが5番手6番手につけました。
スタートはベッテル、バトン、アロンソらが並ぶ奇数側グリッド有利に働き、ウェバーが遅れたことでベッテル、バトン、アロンソ、ウェバーという順位に。スタート時に特に大きな混乱は起こりませんでしたが、ダニエル・リチャルド(ヒスパニア)がフロントウイングを破損。
レースではスーパーソフトタイヤとソフトタイヤという2種類のタイヤセットが用意されており、タイヤは柔らかいほどグリップ力が強くなり高速走行に有利になるもののその分劣化も早いという特徴がありますが、今回の場合はスーパーソフトはあまりにも保ちが悪く、多くの車がスーパーソフトタイヤでスタートを切った中、特にアロンソはダメージ蓄積が早く、スタートで追い抜いたウェバーに後ろから突かれる展開となり、10周目にとうとう追い抜きを許すことに。アロンソはこの周回終わりでピットインし、早めにソフトタイヤへの交換を行います。
12周目には5番手を走行していたマッサと6番手を走行していたハミルトンが同一周回でピットイン。ここでマッサはアロンソと同じくソフトタイヤへ変更、ハミルトンはスーパーソフトタイヤに変えてコースに復帰。スーパーソフトタイヤの利点を早く活かしたいハミルトンは積極的にマッサを攻めますが、アグレッシブすぎるアタックによってマッサと接触、フロントウイングを大きく破損してしまいます。また、マッサはリアタイヤをパンクし、周回終わりに再びピットインする羽目に。
アロンソは早めにソフトタイヤへ交換するアンダーカット戦略が功を奏してペースアップ。ウェバーがピットに入っている間に順位を戻します。
このあたりで順位は前からベッテル、バトン、ポール・ディ・レスタ(フォースインディア)、セルジオ・ペレス(ザウバー)、アロンソに。
30周目にニコ・ロズベルグ(メルセデス)、ペレス、ミハエル・シューマッハ(メルセデス)が三つ巴の戦い。ロズベルグの一瞬のドライビングミスをペレスが突いて前に出ますが、次のストレートでロズベルグが再び並びかけ、軽く接触。横から押された形のペレスはコースオフし、なんとかロズベルグの後ろで復帰しますが、ここにシューマッハが競りかけてきます。次のコーナーでインへの飛び込みを狙ったのか、シューマッハはペレスに接触。ペレスは大きなダメージを負わずに済みましたが、シューマッハはウォールに激突し、ここでレースを終えます。
このクラッシュのためにセーフティーカーが入り、大きな差をつけて単独逃げに入っていたベッテルはその差を失うことに。ベッテルの後ろにはバトン、アロンソ、ウェバーと、チャンピオン獲得を阻む顔ぶれがつけています。
ハミルトンはセーフティーカー入りのタイミングでピットに入ってタイヤを交換。ここからペースを上げてオーバーテイクショーを繰り広げ、15番手からじわじわと順位を上げていき、40周目すぎには5番手まで順位を上げます。
48周目ぐらいから上位陣がラストのピットイン。再び大きなマージンを作ったこともありベッテルは余裕のピットストップ。順位はベッテル、バトン、ウェバー、アロンソ、ディ・レスタ、ロズベルグ、スーティル、ペレス、ハミルトンで、アロンソは再び表彰台圏外に。
バトンは最後まで攻め続け、残り2周でベッテルとの差は5秒。最後の最後まで差を詰め続けますが、残り1秒737の差が埋まらず、優勝はベッテル。2位にバトン、3位にウェバー。アロンソは表彰台を惜しくも逃す4位となりました。
この結果、ベッテルはチャンピオンをほぼ手中にしましたが、確定させるには1ポイント足りないというギリギリの状況になりました。
次のレースは10月9日、鈴鹿サーキットで行われる日本GPです。ベッテルがチャンピオンを獲得するのは間違いない中で、ウェバーやアロンソといったドライバーがどういった走りを見せてくるのか、そして母国GPとなる小林可夢偉がどんな活躍をするのか、期待したいところです。
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