クジラ約100頭がイギリス沿岸で座礁、1頭でも残れば仲間も残って全滅の危険も
天候や外敵などの影響によって、クジラが陸に打ち上げられてしまうことがありますが、今回はイギリスの沿岸部に約100頭ものクジラが座礁してしまったようです。今回座礁したクジラはゴンドウクジラで、この種は群で協力して身を守る性質があり、傷ついた仲間が岸に残っていると、群自体が岸にとどまってしまい、すべてのクジラが座礁してしまう危険があるとのことで、ボランティアによる救助活動が行われています。
詳細は以下から。Fears of mass whale stranding as experts rush to Western Isles to treat injured mammals | Mail Online
座礁したクジラたち。約100頭ほどの群と見られ、少なくとも約20頭ほどがボートの船底や岩礁によって頭部に傷を負っているようです。
ゴンドウクジラはほ乳類の中でも知性が高く、社会的で利他的な行動をする種として知られており、1頭でも傷ついて岸から動けなくなったクジラがいると、仲間がその個体を助けるために岸に残り、結果的に大量のクジラが座礁して死んでしまうことになる危険性が指摘されています。
イルカ・クジラ類の保護協会に所属するMark Simmonds博士は「これらの動物は、餌を見つけたりサメから身を守るために協力して働きます。彼らは、もし1頭が病気になったり道を間違えたりした場合も、一緒に付き添おうとするのです」と語っています。また、スコットランドの動物虐待防止協会に所属するCalum Watt氏によると、1993年にも同様に座礁したクジラのうち7頭がレスキュー隊によって救助され、沖に出ることができたものの、やがてそのすべてが岸に戻ってきて死んでしまったそうです。
ボートの船底に張り付いたフジツボなどは、クジラの皮膚をたやすく切り裂いてしまうため、座礁したクジラたちの多くが頭部に傷を負ってしまっているようです。
今回クジラの座礁が発見されたのは、スコットランド西部のLoch Carnan。BDMLR(British Divers Marine Life Rescue)のボランティアたちが夜を徹してクジラの救助に向かっているそうです。全滅という最悪の事態を回避できるよう祈るしかありません。
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