稲妻のように輝く高圧電流でCDのデータを焼き尽くし、無色透明の円盤と化してしまうムービー
雷のようにバリバリと音を立てながら空気中を伝わる高圧電流をCDに当て、記録面をごっそりときれいに蒸発させてしまうことにより、どんな最新技術をもってしても復旧不可能なレベルにまでデータを破壊してしまおうというダイナミックなCDデータ消去法のムービーです。
そこまで手間をかけずともデータを消去する方法はいくらでもあるのかもしれませんが、この方法でのデータ消去後のCDは美しく透き通ったプラスチックの円盤として保存することができ、データ消去にかける情熱や職人の美学すら感じさせるものとなっています。
再生は以下から。YouTube - Erase CD with HV
回転するCDに当たる稲妻のような青白い光。
バリバリと音をたてながらCDの中心へ近づいていき……
みるみるうちにCD表面を「焼き」尽くし、焼かれた部分はアルミがはげて透明になっていきます。
最後にはただの無色透明な円盤になってしまいました。
ここまで完全に消されてしまうとどんなに高度な未来の技術をもってしてもデータ復旧は不可能なのでは……とも思われますが、実はCDのデータはプラスチック表面の溝によって記録されていて、キラキラ光るアルミニウム層は、そのデコボコのプラスチックを通過した光を反射させ、反射の仕方で「ここにこういうデコボコがある」と読み取るための鏡の役割を果たしています。
なので、動画を見て「アルミ層が破壊されてもデータは残っているのでは?」と疑問に感じた人もいたようですが、動画のアップロード主によると「アルミを蒸発させるほどの温度だからプラスチック層もメタメタになっている、問題ない」とのこと。ちなみにアルミニウムの沸点はセ氏2000度ほど、ポリカーボネート(CDによく使われるプラスチック)の融点は250度ほどで、雷導電路(雷の通り道)はアルミの沸点の10倍ほどの高温になることもあるそうです。
「データ消去装置」の全容はこんな感じ。中央奥に見えるのはCDを回転させるモーターを回すための電池で、左右の高電圧発生装置とCDの間に大きな電位差ができると、雷が金属にひきつけられるように装置からCDのアルミ層へ電流が流れるという仕組みのようです。
これが、雷と同じ放電現象というわけ。二度目の実演も迫力があります。
CDのデータ破壊にはシュレッダーなどを使うのが一般的ですが、この方法ならたとえ大切なデータを間違って消してしまったとしても、アルミ膜を蒸着する前の製造過程のように無色透明のまっさらな状態になってしまったCDに、何かすがすがしいものすら感じられるかもしれません。
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