全世界の女性CEOの実情を分かりやすく説明した図
世界的に知られる企業を例に挙げながら、女性がCEO(最高経営責任者)を務めている企業の状況について、主に米国の状況を分かりやすく説明している図です。
米国は女性の社会進出が進んでいる印象がありますが、女性CEOが率いている企業の割合は500社中16社で、賃金にもかなりの差があるなど、まだまだこれからといった部分があるのが見て取れます。
世界の女性CEOの実態を知るための図解は以下から。The State of the World's Female CEO's
2010年の最新データによると、世界的に有名な企業500社の中で、女性CEOが運営している会社はわずか12社。2009年のデータでは13社だったので、わずかに減少していることになります。
アメリカ国内に絞った数値を見てみます。アメリカの主要産業を担う上場企業500社を選出した株価指数である「Standard and poor's 500」に名を連ねる企業の中では、500社中16社が女性CEOによって運営されていて、パーセンテージに直すと3.2%となります。
また、カタリストがFortune 500に選出された企業について研究したところ、取締役に女性の多い企業の方が、少ない企業よりも自己資本利益率が35%高いことが明らかになったということです。
カナダは女性が最高責任者を務める企業の割合が他国に比べて高く、Financial Post 500に選ばれた企業の中では30社、全体の6.4%を占めています。しかしながら、1人で4社の経営を担っているすご腕CEOと、それに及ばないまでも2社の経営を担っているCEOがいるため、企業の数が30社なのに対してCEOの数は26人という結果となっています。
高額収入を得ている女性CEOトップ3の第1位は、Yahoo!の社長兼CEOを務めるCarol Ann Bartzさんの4720万ドル(約38億2200万円)。続く2位は日本ではクリームチーズなどで知られるKraftのCEOであるIrene Rosenfeldさんの2630万ドル(約21億2900万円)。そして3位はPepsiのCEO・Indra Nooyiさんの1580万ドル(約12億7900万円)です。
ケロッグ大学で行われた女性管理職に関する研究によると、近年は役員会議に招集される役職における女性の就任率が高まったために、女性CEOが選出される割合も高まっているということが明らかになっています。
また、ウォール・ストリート・ジャーナル紙が公表した最新の研究によると、娘を持つ男性CEOは、社内での賃金格差を縮め、女性社員に13%ほど多い賃金を支払う傾向があるということが分かりました。同様の傾向は、娘と息子両方を育てている女性CEOにも見られたということです。
統計的に女性CEOの実態を見ていきます。Standard and poor's 500に選ばれた企業の中で比べると、女性CEOの収入は平均1400万ドル(約11億3300万円)で、男性CEOの800万ドル(約6億4780万円)よりも43%多いことが分かっています。
また、2009年に男性CEOの給与は5%カットされているのに比べ、同時期の女性CEOは19%プラスとなっています。
ただ、これまで主に指標としてきたStandard and poor's 500を一旦忘れて、中小企業などを含めた110万人のCEOをひっくるめて比べると、女性CEOは男性CEOに比べるとやや生産量としては少なく、男性を1とした場合75%の生産率となってしまいます。大企業に絞ると女性CEOの活躍はめざましいものがありますが、中小企業にはまだ浸透していないというのが実情なのでしょうか。
ハーバード・ビジネス・レビュー誌による研究によると、女性CEOは男性と比較しておよそ2倍の確率で外部から招き入れられることが多いということです。
最後に、男女のCEOのトップ同士の収入を比べてみます。男性CEOの中で最も高い年収を誇るのは、Liberty Capital CorporationのCEOであるGregory B. Maffeiさんで、その税引き前所得は8710万ドル(約70億5300万円)。
女性CEOナンバー1は、先ほども名前が挙がったCarol Ann Bartzさんで、税引き前所得は4720万ドル(約38億2200万円)。2人の収入を比較すると、MaffeiさんはBartzさんに比べて84.5%多く収入を得ていることになります。
企業の業種も規模も異なるため一概に性別だけが賃金の差を生む要因となっていると言い難いところはありますが、女性CEOの社会進出にはまだこれからといった部分も多いようです。
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