冷凍保存されていた受精卵によって11歳年の離れた姉妹が誕生
11年間もの間冷凍保存していた受精卵による妊娠が成功し、先月11月に女の子が生まれました。それだけでも驚くべきことですが、彼女の姉にあたる双子の姉妹と今年生まれた妹の受精卵はなんと同時に受精させられていたということです。
まるで冷凍睡眠のような状態から生まれた赤ちゃんとも言えますが、受精卵の冷凍保存によってここまで年の離れた姉妹が誕生する例は本当に珍しいことで、家族計画をするにあたって、また不妊治療をするにあたって貴重な事例と言えそうです。
11歳年の離れた姉妹が生まれた詳しい経緯は以下から。Conceived together, born 11 years apart: Deep-frozen third sister arrives after record gap | Mail Online
体外受精による受精卵から生また双子のMeganとBethanyは11歳。しかし、今年生まれたRyleighちゃんの受精卵は、双子の姉と同時に作られたものの、11年間以上冷凍保存されていたものです。専門家は、同時期に受精した受精卵から、ここまで明らかな年の差を持って誕生した例は他に類を見ないと言います。
「Ryleighが生まれた時、11年前に生まれたMeganとBethanyのことを思い出しました」と、3人の母親のLisaさん(37)は言いました。1994年に夫妻は結婚し、すぐに家族を持ちたいと切望したものの、その矢先、彼女は子宮内膜症と多嚢胞性卵巣と診断されてしまいます。つまり、Lisaさんが自然に妊娠する見込みはごくわずかだったのです。妊娠の可能性を高める薬物療法を受けましたが、劇的な改善は得られませんでした。
11年前、新生児のころのMeganちゃんとBethanyちゃん。
そこで1998年9月に、夫妻はMidland不妊治療クリニックで治療を受けました。医師は24個の卵子を集め、その内の14個が、シェパード氏の精子を受精することに成功しました。2人の受精卵がLisaさんの胎内に注入され、残りの12個の受精卵は冷凍装置に入れられました。薬物治療もうまくいっていなかったため、あまり期待しすぎないようにしていたとのことですが、2度目の検査の結果は陽性で、双子を妊娠していることが分かりました。
その後も順調に胎児は育ち、LisaさんはWalsall領地病院で双子の赤ちゃんを出産しました。「予定日より6週間早かったのですが、2人が生まれた時はとても感動しました。2人は本当によく育ってくれたので、私たちは3日後に帰宅を認められました。」
双子が9歳になった年に、夫妻はもう一人赤ちゃんがほしいと考えるようになりました。双子を育てるのにとても忙しかったので、もう1人子どもが欲しいという考えは夫妻の頭のすみに追いやられていました。妹が欲しいかどうか、MeganとBethanyに尋ねて、その決意を固めたということです。
2009年12月に、カップルは10年前に冷凍保存された受精卵を使用して、中部地方の不妊治療クリニックで妊娠を試みました。「11年も前に冷凍保存した受精卵を使って妊娠することにはちょっと変な感じがしました」というのが、Lisaさんの正直な感想だそう。すべての受精卵は同時期に受精したので、もう一人の赤ん坊も女の子であることを夫婦は知っていました。
冷凍保存していた受精卵がちゃんと育つのか分からなかったため、1つの受精卵から1人の赤ちゃんを設けることを決め、これでうまく行かなかったら残りの11個の受精卵で試すことはしないと決めた上での挑戦であったということ。「だから、Ryleighの誕生は最初で最後のチャンスが実った結果です。」Lisaさんは笑顔でそう言いました。
Ryleighは極めて健康な状態で11月に生まれました。Lisaさんによると、「妹ができたことで、MeganとBethanyはとてもわくわくしています。それに、彼女たちも妹が自分たちと同時に受精され、11年間冷凍保存されていたたことは知っています。」とのことで、姉妹は不思議な縁でつながった妹のことをとてもかわいがっているようです。Ryleighちゃんは、あたかも11年間の時間を取り戻しているかのようによく食べ、よく育っているそうです。
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