ビルの上にビルが乗っかっている不思議なビル「海岸ビル」を神戸で発見しました
神戸のJR元町駅付近を歩いていたところ、ビルの上にビルが乗っかっている非常に奇妙な形をした建物を発見しました。
上部の近代的なガラス張りのビルと、下部の明治建築の趣あるビルとの様式がそれぞれあまりにも違うため、異様な雰囲気を放っているこの建物ですが、いったい何のビルで、どうしてこんな形になってしまったのでしょうか。
というわけで、この奇妙な建物の周囲や内部の詳細は以下から。NOF神戸海岸ビル(旧海岸ビル) 旧居留地 神戸旅行・観光
JR元町駅から海岸に向かって10分ほど歩くと、なにやら奇妙な建物が見えました。ビルの上にビルが乗っかっているように見えます。
横に回って見たところ。
接合部が見えます。
反対側から見たところ。どこからどう見てもすごい違和感です。
近づくと、ビルの後ろに背の高い別のビルが建っているように見えます。
ビル名のプレートがありました。「海岸ビル」という名前で、経済産業省より「近代化産業遺産」に指定されているようです。
そこから少し横に、またビル名のプレートがあり、こちらには「NOF神戸海岸ビル」と書かれています。いったいどちらが本当の名前なのでしょうか。
中に入ってみると、1Fの面積の約半分は商業施設が入っており、残りの半分はガランとして、階段と柱のほかは何もないスペースになっています。
かなり上のほうまで天井がありません。
定礎は平成10年の3月。
内部には「NOF神戸海岸ビル 旧海岸ビル」という表示が。どうやら「海岸ビル」という建物を改築して「NOF神戸海岸ビル」という名前になったようです。
案内図を見ると、1Fから4Fまでが同じような吹き抜けの構造になっているようです。
階段で4Fまで昇り、下を見おろしたところ。
白い壁と広いスペース。とてもモダンな雰囲気です。
4Fから上を見ると、上下の接合部分から空が見えます。
5Fから上に行くにはエレベーターを使う必要があるようです。
5Fの案内図。接合部分にあたる階のようで、スペースの大部分が吹き抜けになっています。
窓の外には接合部分の柱が見えます。
Wikipediaの「海岸ビル」の項目によると、海岸ビルは神戸市景観形成重要建築に指定されているそうです。海岸ビルヂングや旧小寺家厩舎、奥平野浄水場旧急速濾過場上屋などを手がけた河合浩蔵の設計で、旧三井物産神戸支店として1918年の竣工とのこと。
阪神淡路大震災で全壊認定を受けたために、幾何学的装飾が施された外壁を撤去・保管し、その後、同じ場所に新しく再建された高層ビルの低層部に旧外壁を再構築したため、このような形になっているようです。夜間は日没から22時までライトアップされるとのことなので、近くを通る機会があれば、見てみるのもいいかもしれません。
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