モナ・リザの瞳に隠された文字、モデルの正体を告げる暗号か
世界で最も有名な絵画とも最も高額な絵画とも言われるレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」ですが、そのモデルの正体や描かれた背景、隠された寓意なども含め、いまだ議論の絶えない謎の多い絵画でもあります。
美術史家でイタリア文化遺産協会長のシルヴァーノ・ヴィンチェンティ氏によると、モナ・リザの秘密は謎めいたほほえみを浮かべる口元ではなく、琥珀色の瞳の中に隠されているそうです。「瞳に書き込まれた文字が、モデルの正体を明かしている」というヴィンチェンティ氏の説が話題を呼んでいます。
詳細は以下から。Mona Lisa's eyes may reveal model's identity, expert claims | Art and design | The Guardian
1503年から1506年にかけて制作されたと言われる「モナ・リザ」。現在はルーヴル美術館に展示されています。実際に目にすると、21インチ×30インチ(約53cm×77cm)というその意外な小ささに驚く人も多いそうです。
肉眼で確認することはできませんが、超高解像度の写真を分析することで、緑がかった茶色い瞳の中に黒い絵の具で文字が描かれていることが確認できるそうです。
ヴィンチェンティ氏によると、モナ・リザの右目には「LV」と書かれていてこれは明らかにダ・ヴィンチのイニシャルとのことですが、左目にはアルファベットの「B」または「S」、あるいは「CE」というイニシャルともとれる文字が見られ、これがモデルの正体を示す重大なヒントと見られるそうです。ヴィンチェンティ氏は今回の調査の結論を来月にも発表する予定とのこと。
また、背景の橋の右側のアーチには数字の「72」またはアルファベットと数字の組合せで「L2」と書かれていて、これも手がかりとなるかもしれないと考えられています。
モナ・リザの目の中の文字について触れている1960年代にフランスの美術史家によって書かれた本が、今回の調査のきっかけとなったそうです。ヴィンチェンティ氏は、「今回2名の絵画の専門家の見解を仰いだところ、拡大鏡と微細な筆を使って描かれたこれらの文字は、絵画制作の過程で偶然描かれた模様とは考えられないという点で一致しました」と語っています。「レオナルドはメッセージを伝えるために象徴や暗号を多用した画家です。『瞳は魂への扉』と考えていた彼は、モナ・リザの目を通じて見る者にモデルの正体を明かしたかったのでしょう」
モナ・リザのモデルに関してはフィレンツェの商人の妻リザ・デル・ジョコンドだとする説が現在もっとも有力ですが、ヴィンチェンティ氏はこの説を否定しています。「絵の裏には『149』という数字が書かれていて、4つめの数字が消されています。これは、ダ・ヴィンチがミラノ滞在中の1490年代にこの絵を描いたと示唆し、ミラノ公ルドヴィーコ・スフォルツァの宮廷の女性がモデルであったと考えられるでしょう」とのこと。
また、モナ・リザはダ・ヴィンチの自画像だとする説も根強く存在します。ヴィンチェンティ氏率いるイタリア文化遺産協会は今年始め、ダ・ヴィンチの頭蓋骨から生前の顔を再現し比較検証するため遺体を発掘させて欲しいとフランス当局に申請しています。
1512年~1515年ごろに描かれたとされるダ・ヴィンチの晩年の自画像。
額から鼻にかけての骨格など何となく似ている気もしますが、いまのところどの説にも決定的な証拠はないようです。
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