「死海文書」がオンラインで全文公開へ、Googleとイスラエルが提携
イスラエルの死海北西の要塞都市クムランの近くにある11ヵ所の洞窟で1947年から1956年にかけて発見された、ヘブライ語聖書の断片を含む羊皮紙に書かれた約850巻の写本集「死海文書」の一部が2008年にイスラエル建国60周年を記念して公開されましたが、Googleが全文をオンラインで公開することが明らかになりました。
聖書の原本に限りなく近いとされる同文書は、その歴史的および宗教的価値の高さから世界中の注目を集めていましたが、全文をオンラインで見ることができるようになるということは、非常に大きな意味を持つのではないでしょうか。
なお、上記画像は2008年にイスラエルがNASAの最先端技術を用いて死海文書の解読を行うことを表明した時のもの。通常(左)では読めなかった部分も最新技術を用いた結果(右)、読めるようになっています。
詳細は以下から。
Google plans to offer Dead Sea Scrolls online
この記事によると、The Israel Antiquities Authority(イスラエル考古学庁)は「死海文書」の全文をデジタル化することでGoogleと提携したそうです。
デジタル化にあたっては赤外線を用いたデジタルイメージング技術を用いることで、経年劣化によって肉眼では読めなくなった部分なども読めるようになる処置が施されるとのこと。
死海文書を研究しているPnina Shor氏によると、デジタル化されたイメージはまるで本物の死海文書をそのままコピーしたかのような出来栄えとなっており、クリックするだけであらゆる断片を見ることができると述べています。
また、デジタル化することでオリジナルの死海文書を明るい場所にさらし続ける必要が無くなるため、紫外線などによる劣化を防ぐことが可能となるというメリットも考えられるようです。
なお、死海文書のデジタル化は2~3ヶ月後に開始され、2011年春ごろに一部がGoogleによってインターネット上で公開される予定で、公開にあたってはコピー機能や翻訳、参考文献一覧などの情報を交えるそうです。
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