アート

17年もの歳月を経て完成した超大作、戦艦ヴィクトリーのあまりにも精密な彫刻


イギリス海軍提督ホレーショ・ネルソンの最後の戦いであったトラファルガーの海戦でも活躍した現存する戦艦(ヴィクトリー)の47インチ(1.1メートル)の彫刻を、17年もの歳月にわたってたった1人で製作していた彫刻家がついにその壮大な作品を完成させました。

本物のヴィクトリーから取られた1つの木材から彫り出されたあまりにも緻密な彫刻で、200フィート(約60メートル)の長さの複雑な形のロープや104にも及ぶ小型の銃、風を受けてふくらむ帆は37枚もあるなど、ものすごく細かなところまで念入りに作り込まれています。


17年越しに完成したヴィクトリーの彫刻は以下から。Sculptor spends 17 years carving replica of HMS Victory... using wood from the real thing | Mail Online

この記事によると、英国王室の公式彫刻家Ian Brennan氏は、材料として与えられたヴィクトリー本体から採取された木材を使い、約1.1メートルのとてつもなく精密な戦艦ヴィクトリーの彫刻を17年の歳月をかけて作り上げたそうです。

ヴィクトリーの低い位置にあった砲列甲板から取られたカシは、まるでコンクリートのように非常に堅く、この彫刻を完成させるにあたって、彼自身が想像したよりも長い時間を要したとBrennan氏は述べています。また、17年の製作期間の間に、彼は作業着であるオーバーオールをすり切れるほど使い込み、取り換えた数は4枚にものぼるということです。

200フィートの長さの複雑な形のロープや104にも及ぶ小型の銃、風を受けてふくらむ帆は37枚、そしてネルソンの名言である「英国は各員がその義務を全うすることを期待する」というフレーズが書かれた旗までも彫刻によって表現されています。


艦内に搭載された小舟など、細かなところまで精密に彫り込まれています。


1805年のトラファルガーの海戦で、ヴィクトリーがフランス・スペインの艦隊に勝利した際も、ヴィクトリーの姿ははすべての帆が上げられた状態で記録されています。この戦いはネルソン提督の収めた勝利の中で最も素晴らしいものでしたが、彼は交戦の最中に狙撃され、、デッキの上で息も絶え絶えになりながらも、彼らが勝利したことを知ってから亡くなりました。

これが現存する戦艦・ヴィクトリー。1度はスクラップにされかけたのですが、ネルソン提督の腹心であったトマス・ハーディ卿がそれに反対したことで難を逃れ、今もなお現存しています。


この彫刻に取り組み始めたころのBrennan氏。


Brennan氏近影。上の写真と比べると、髪はすっかり白くなり、そこにも年月の流れを感じます。


彼の妻であるSuzanne(55)さんや3人の子ども、そして4人の孫たちは、彼の17年にも及ぶ製作活動を非常によく助けており、Brennan氏は「妻は本当に辛抱強かった。製作が終わって彼女はほっと胸をなで下ろしているだろう」と語っています。

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in アート, Posted by darkhorse_log

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