ミサイルが空を駆け、精密な射撃が繰り広げられた「中距離火力」演習

富士総合火力演習の前半戦「前段演習」では、「遠距離火力」に続いて対戦車ミサイルなどの「中距離火力」の実演が行われました。
戦車に搭載して発射するミサイルから、隊員の人が直接扱うものまで、機器の大小はさまざまでしたが、敵の戦車を狙い撃つための精密さが感じられる内容となっていました。「遠距離火力」では大爆発の威力を感じることができましたが、この「中距離火力」では狙ったところにピンポイントで落とす、兵器の精密さを確かめることができました。
詳細は以下から。L16 81mm 迫撃砲と120mm迫撃砲 RTによる射撃から演技は始まります。

L16 81mm 迫撃砲の発射用意ができたので、赤い旗を上げ合図をしています。これが見えたら「今から爆発音がするんだな」という気構えをしないと不意をつかれてかなりビックリするので注意。

遠距離火力での爆発と比べれば音や規模が小さく見えますが、それでもかなりの威力です。

120mm迫撃砲 RTの威力も相当なもの。

演習が終わると砲身を格納し、「砲撃は行わない」という合図となっている緑色の旗をはためかせながら退場していきます。



続いて、87式対戦車誘導弾と96式多目的誘導弾システムの実演に移ります。

87式対戦車誘導弾は隊員の人たちが設置を行っていました。


のろしを目印に射撃したので弾道がほかの物より見えにくくなっています。


ラストは89式装甲戦闘車専用の79式対舟艇対戦車誘導弾を発射しています。ここでは戦車への発射が想定されていますが、上陸用舟艇への攻撃も可能です。この戦車が発車する予定の誘導弾は不発に終わってしまったのですが、隣に配備された戦車からは無事発射できました。

バシュン、という音がしたかと思うと、はっきりと視認できるサイズのミサイルがまっすぐに飛んでいきます。

これまでの射撃と比べるとかなり遠くまで、ぐんぐん飛距離を伸ばしていきます。最後は豆粒程度の大きさになってほとんど見えなくなります。




色や数字で分類された標的よりも奥の方へとミサイルは飛んでいき、無事に着弾しました。この演習はとにかく狙ったところに当てるということが主眼となっていて爆発はそれほど大きくはなかったですが、その狙いの精度にはほれぼれしてしまうものがありました。

演習プログラムは「近距離火力」へと続きます。
歩兵の小銃から戦闘ヘリコプターの機関砲まで、バリエーション豊かな自衛隊の「近距離火力」実演

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