取材

歩兵の小銃から戦闘ヘリコプターの機関砲まで、バリエーション豊かな自衛隊の「近距離火力」実演


富士総合火力演習は実弾を用いた国内最大の演習ということで、どうしても戦車を始めとする火力の大きな兵器に目が行きがちですが、近距離火力も負けてはいません。

歩兵の小銃や狙撃銃から装甲装甲車といった普通科火力、対戦車ヘリコプターや戦闘ヘリコプターなどのヘリ火力、自走高射機関砲の対空火力など、近距離火力の装備はバリエーションが豊富で、展開の様子を含めて楽しませてくれます。

詳細は以下から。
遠距離火力中距離火力に続くのが近距離火力です。


対人障害装備である指向性散弾の威力の説明。箱形のケースの中に複数の金属球が収められており、爆発するとあちこちへ飛散して複数の敵を制圧する仕組み。


赤と白の風船が敵を想定したもの。


散弾が爆発すると同時に近くの風船がもう割れています。


2回目の散弾でもう一列の風船も全滅。


こちらは対戦車障害のヘリ散布地雷

YouTube - 対戦車障害 ヘリ散布地雷


輸送ヘリCH-47Jがやってきました。


兵員を輸送してきたようです。


YouTube - CH-47Jから普通科分隊がロープを使って降着


ヘリから降下した部隊はすぐに散開。


橋梁爆破部隊でした。


爆弾を橋にセットして…


爆破。実際に橋を爆破するわけにはいかないので、そういう作戦イメージです。


作戦に成功したので兵員を回収しますが、普通に着陸するのではなくエクストラクションロープという吊り下げロープでの離脱を行うそうです。


これは周囲を警戒しつつ迅速に退くための手段。


YouTube - 橋梁爆破後にCH-47Jのエクストラクションロープを使って離脱


吊られた4名は銃を構えて警戒中。


広場には軽装甲機動車が姿を見せました。


構えているのは01式軽対戦車誘導弾


この武器には戦車の目前で急に浮き上がって装甲上部を狙うダイブモードと、真っ直ぐに飛んでいく低伸弾道モードがあります。


発射時の初速がそれほど早くないため、目でも飛んでいく様子を追いかけることができます。


弾着。


動画で見るとこんな感じです。

YouTube - 01式軽対戦車誘導弾 ダイブモード


YouTube - 01式軽対戦車誘導弾 低伸弾道モード


小さな丘に待機しているのは狙撃班。


対人狙撃銃で、500m離れたターゲット(車両内の人影)を狙います。


見事命中。


もちろん、本来はこのように姿を見せて撃つことはありません。


続いて車列がやってきました。


96式装輪装甲車です。


96式40mm自動てき弾銃12.7mm重機関銃を装備。


YouTube - 96式40mm自動てき弾銃


2輛での機関銃射撃。


YouTube - 12.7mm銃機関銃発射→96式装輪装甲車から下車


この写真でオレンジ色に見えているのが弾(弾道がわかるように入れてある曳光弾)。


射撃が終わると装甲車が前進して後部ハッチが開き、中から乗員が降りてきました。


次は歩兵火器の紹介です。


遠くてさすがに何を持っているか見えないのですが、89式5.56mm小銃の射撃だと思われます。


次は06式小銃てき弾。このように小銃の先に装着します。


敵に見立てた青い風船を撃ちます。撃ってすぐではなく間を置いて炸裂するのでちょっとびっくりしました。


個人運用可能な装備としては84mm無反動砲110mm個人携帯対戦車弾もあります。これは84mm無反動砲。


110mm個人携帯対戦車弾。


84mm無反動砲の実演は、広場から射撃するには爆風が凄まじすぎるとのことで、この写真ちょっと右手側の煙があがっているところからの実演となりました。


扱える弾薬は榴弾、対戦車榴弾、照明弾、発煙弾の4種類。これは榴弾。


そして発煙弾。自分の攻撃行動を悟られないため相手の目隠しとして使用します。


広場に89式装甲戦闘車が走ってきました。ポイントは背面ハッチ向かって右側扉などに見られる丸い出っ張り。これは車内から射撃できるように設けられた防弾ガラス製の銃眼です。


日本初の歩兵戦闘車(歩兵を輸送できる車両で、かつ積極的に戦闘に参加できるような強力な火砲も搭載している)だそうで、戦車に比べれば安価なものの1輛7億円弱という価格のため配備はあまり進まず、2005年度以降は調達されていません。


ヘリ火力の紹介です。やって来たのは攻撃ヘリAH-1 コブラ


対戦車ミサイルTOWを発射。


二段山手前に設けられた標的(2つ並んだ白い四角のうち左のもの)に命中。


次にやって来たのは戦闘ヘリAH-64 アパッチ


30mm機関砲の攻撃が2の台にある標的を撃破。


対空火力は87式自走高射機関砲。公式な愛称ではないものの、ガンタンクと呼ばれていたりするそうです。


その87式自走高射機関砲、本来は高空の敵を迎撃するのですが、演習の制約上、低空にやってきたヘリを狙うという想定での射撃が行われました。


高射機関砲で近距離火力の紹介はおしまい。


演習プログラムは「戦車火力」の紹介へと続きました。

射撃の威力を文字通り体感できた「90式戦車」の射撃と「74式戦車」の稜線射撃


この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「平成22年度富士総合火力演習」全記事一覧まとめ - GIGAZINE

ヘリコプターの難敵「騒音」にチャレンジする新型ローターブレード - GIGAZINE

本物の馬やアパッチなどの1馬力あたりの価格コストを比較したらこんな感じ - GIGAZINE

大規模災害時に大活躍してくれそうな次世代消防車のコンセプトカー「Amatoya」 - GIGAZINE

in 取材,   乗り物,   動画, Posted by logc_nt

You can read the machine translated English article here.