「ネットいじめ」を防止するツールをKDDIが開発中、ネットでの友人関係を抽出し可視化
小中学生などの若年層に対しても携帯電話やインターネットが普及したことを受けて、新たに問題となっているのが「ネットいじめ」。
文字通り「ネット上で行われるいじめ」であるため、学校や保護者が事態を把握するのに時間を要するだけでなく、当事者だけでなく周囲も巻き込むという事態に陥ることもあるネットいじめの実態を解明した上で防止するツールをKDDIが「ワイヤレスジャパン2010」に出展しました。
あくまで開発段階ですが、なかなか興味深い内容となっています。
詳細は以下から。
「社会に役立つKDDIの研究開発」と銘打った展示がKDDIブースで行われていました。
KDDIはネットいじめの実態と発生原因の解明を進めるために、SNSや学校裏サイトに加えて、「プロフ」や「リアル」と呼ばれる個人ウェブサイトの調査を実施。
「リアル」の説明。個人の気持ちや状況を短い文章で書き込みができるというもの。
その時に起きたことや思ったこと、感じたことを短い文章で表現するため、「マジうざい」といった短絡的な表現になることも。
具体的なネットいじめの事例。このように短絡的な文章で感情をぶつけ合うことによって友人関係が破たんし、さらに周囲の友人を巻き込んだネットいじめに発展する……という内容。あくまでフィクションとされていますが、なんだか生々しいです。
そんなネットいじめを防止するためのツールをKDDIが開発しているとのこと。
まずはプロフやリアルなどを自動収拾し、書き込まれた情報を分析します。
そして書き込まれた情報を元に個人ウェブサイトの持ち主を同定し、ハイパーリンクからネットでの友人関係を抽出することで、誰が誰にポジティブあるいはネガティブな気持ちを抱いているのかといったことなどを可視化します。
可視化されたネット上での友人関係をイメージ図にするとこんな感じ。なんだか恋愛関係のネットワークを可視化した「ジェファーソン高校恋愛構造図」を思い出しますね……。
ちなみにこのネットいじめ防止ツールの商用化や商用化時期は未定となっていますが、学校や保護者がネットいじめに対応しきれていないことを考えると、実用化に向けて動き始める可能性が無いとは言い切れないのかもしれません。
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