SSDと光学ドライブが合体した「HyDrive」が登場、高速駆動やノートパソコンの小型化を実現
古くから記録メディアとして広く用いられているHDDと、フラッシュメモリを利用したSSDを合体させた「ハイブリッドディスク」が2月に登場しましたが、今度はSSDと光学ドライブを合体させた「HyDrive」が登場しました。
光学ドライブとSSDが1つになることで大幅なコンパクト化に成功しており、ノートパソコンの小型化が期待されるほか、非常に高速なパフォーマンスを実現していることを証明するムービーも公開されています。
詳細は以下から。
Hitachi-LG Data Storage Inc. (HLDS), today announced HyDrive, the world’s first solid state drive (SSD) embedded ODD.
このリリースによると、日立とLG電子の合弁企業で光学ドライブを手がける日立LGデータストレージが世界で初めて光学ドライブとSSDを1つにした「HyDrive」をリリースするそうです。
「HyDrive」は2010年8月に発売されるMONEUAL社の「MN 102-O」というファミリー向けパソコンに内蔵され、2011年3月の量産開始とともに他社へ対してもOEM(相手先ブランドによる生産)で提供されるとのこと。
なお、第1世代の「HyDrive」は3GbpsのシリアルATAインターフェースをサポートした32GBおよび64GBモデルとなっていますが、2011年3月の量産開始に合わせて製造される第2世代モデルは6GbpsのシリアルATAインターフェースをサポートしており、最大256GBモデルが登場するとされています。
ちなみに「HyDrive」に搭載されたSSDはWindowsの起動ドライブやデータ保存用ドライブとしてだけでなく、光学ドライブのキャッシュとしても利用できるため、ノートパソコンに「HyDrive」単体を搭載するだけで済むようになることから、今までは実現が難しかった、光学ドライブを搭載したノートパソコンの小型化を実現できます。
また、「HyDrive」の発表に合わせて開設された「MysteryDrive」というページでは、従来モデルのドライブと「HyDrive」の比較が行われており、ムービーでその実力をチェックすることができるようになっています。
MysteryDrive
DVDの読み込み実験。読み込みに時間がかかる、やや傷ついた映画のディスクを今までのドライブに挿入してみます。
映画を再生しているところ。たいていの場合、多少であればディスクが傷ついていてもエラー補正を行うことで再生できますが、リアルタイムでエラー補正が追いつかず、うまくいきません。
続いてHyDriveにモデルチェンジ。
これが「HyDrive」です。
あらかじめディスクの内容をSSDにキャッシュとして読み込んで再生しているため、エラー補正に時間をかけることができるせいか、スムーズに再生できるようになっています。
続いては起動ドライブとして「HyDrive」を使った場合。左がHDD搭載モデル、右が「HyDrive」搭載モデルです。
SSDを搭載しているだけあって、高速に起動します。
28秒ほどで起動が終了したのに対して、HDDを搭載した従来モデルは50秒を経過したあたりでようやく起動しています。
一度に複数のアプリケーションを立ち上げるマルチタスク実験
わずか6秒ほどですべてのアプリケーションを立ち上げたHyDrive搭載パソコンに対して、HDDモデルは遅れを取る結果に。
もちろんゲームでも結果は同様。
すでにゲームが起動した「HyDrive」搭載モデルに対して、HDDモデルはようやくロゴが表示されています。
以前編集部がフラッシュメモリ大手のサンディスクに行ったインタビューにおいて、SSDはHDDと異なり、さまざまな形状や厚さにできるところが大きなメリットであるとされていましたが、光学ドライブの形状はそのままでSSDを搭載してしまえるというのは、非常に面白いのではないでしょうか。
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