サイエンス

コレステロールや中性脂肪を下げ心臓病を予防、ナッツの王者ピスタチオの実力


1992年から2007年に7カ国で約600人を対象に行われた25の実験のデータを分析したところ、総コレステロールLDL(いわゆる悪玉コレステロール)値、トリアシルグリセロール(中性脂肪)を減少させるナッツ類の効果が明らかになったそうです。

また、数あるナッツ類の中でも特にピスタチオの高い健康効果が注目され、一日に片手ひとつかみのピスタチオで心臓や心臓血管系に効果が得られるだろうと専門家は語っています。

詳細は以下から。A Handful Of Pistachios A Day May Keep The Cardiologist Away

Archives of Internal Medicine誌に発表されたこのメタアナリシスLoma Linda University School of Public HealthのJoan Sabaté博士らによるもので、ピスタチオを含むナッツ類の摂取とコレステロールの関係を調べるため、過去に行われた25の実験から19歳~86歳の男女583名のデータを分析しました。それぞれの実験でのナッツの摂取量は1日1オンス(28g)未満~4.75オンス(135g)の幅があり、全体の平均では1日2.4オンス(67g)とのこと。

分析の結果、1日67gのナッツ類の摂取により、トリアシルグリセロール値は実験開始前に高かったグループでは10.2%減少し、総コレステロールは5.1%、LDL-コレステロールは7.4%低下したそうです。

LDL-コレステロール濃度の低下の幅はもともと高かった人では正常値の人と比べ大幅だったほか、典型的な西洋風の食生活を送っている被験者では総コレステロール・LDL-コレステロールともに低脂肪食やMediterranean diet(1日の摂取エネルギーのうち脂質を25~35%、そのうち飽和脂肪によるカロリーを8%以下にする地中海風の食事法)の被験者に比べ大幅な低下が見られたそうです。つまり、もともと不健康な食生活によりコレステロール値が高くなっていた人にほどナッツ類が効いたということのようです。

また、BMIが低い被験者ではBMIが高い被験者に比べナッツ摂取によるコレステロール低下効果がより大きかったとのこと。摂取量と効果は相関し、1日1オンス(28g)から効果が見られたほか、最大の効果が得られたのは1日の摂取カロリーの20%をナッツ類で摂取した場合だったそうです。例えば1日に必要とするエネルギーが2000kcalの場合は、そのうち400kcalをナッツで摂取すればよいわけで、これはピスタチオなら約120g程度にあたります。

ニューメキシコ州アラモゴードにある巨大ピスタチオの彫刻。こんな巨大ピスタチオでなくとも、おつまみ程度の量から効果が得られるようです。


American Dietetic Association(米国栄養士会)のMartin Yadrick前会長は「片手に1~2つかみ程度の殻付きのピスタチオで、心臓の健康に大きな効果が得られるかもしれません」と語っています。「ピスタチオは血管の機能を向上させ、血糖コントロールを改善し、強力な抗酸化剤として働き減量にも効果的なことが知られています。これらはすべて心臓の健康にとって重要なことです」

30種以上のビタミン・ミネラル・フィトケミカルを含むピスタチオは実に栄養豊富な食物で、ナッツ類の中でも最もカリウムフィトステロールに富むほか、抗酸化力も最も高いそうです。また、人間の網膜に含まれるカロテノイドのルテインゼアキサンチンをナッツ類で唯一含有し、目の健康にも効果が期待できそうです。

お酒を飲む人でコレステロールや中性脂肪を気にしているという人は、ピスタチオをつまんでみるとよいかもしれません。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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