まさにセガの亡霊、ドリームキャストをCore2Duo 3GHz/メモリ4GB/SSD64GB/BDドライブ搭載PCに改造してPS2を動作させる衝撃ムービー

「セガのハード事業復活を祈って最終兵器Dreamcastを大改造して宿敵ハードを体得させてみました」というムービーがすさまじい内容となっています。前編9分33秒・後編7分52秒というボリュームであることからもわかると思いますが、趣味の領域を超えており、まさに「プロの犯行」「野生のプロ」と呼ぶにふさわしいとんでもないレベル。細部の完成度もすごいのですが、ムービー自体のレベルも高く、ものすごくわかりやすい3Dモデルを多用し、電子音声ガイド付きになっているため、ちゃんと聞いていれば何をしているのかは大体わかります。

逆襲のセガと言っても過言ではないムービーの再生は以下から。
ドリームキャストをCore2Duo 3GHz搭載PCに改造し、PS2を動作させてみた (前半)‐ニコニコ動画(ββ)

ドリームキャストをCore2Duo 3GHz搭載PCに改造し、PS2を動作させてみた (後半)‐ニコニコ動画(ββ)

ニコニコ動画のアカウントがない人用に、YouTubeバージョンは以下にあります。

YouTube - Dreamcast in Core2Duo 3GHz running PS2 [1/2]

YouTube - Dreamcast in Core2Duo 3GHz running PS2 [2/2]

1本目の出だしからして半端ないことになっており、「皆さんは、覚えていますか？苦しくても自前ハードで奮戦していたセガの歴史を……」というナレーションが入り、つかみとしてあの湯川専務による自虐CMを持ってくるあたりからして、往年のセガファンは涙が止まらないはず。

そこからはなぜかBGMがトレジャーの傑作STG「斑鳩」になり、いよいよ本編スタート。「CMに涙して、5台も本体を買ったあの日から、10年も経ってしまいました」という驚愕の告白。

そして、「ハード事業撤退の屈辱をかみしめて、この小型ハードを高性能PCとして復活させました」という言葉とともに、怒濤のごとく改造が始まります。

作者の解説によると、2001年に一度製作しているとのことなのですが、それにしてもこの執念は尋常ではありません。

今回は新たに3つの目標を設定したとしており、「宿敵ハードを動作させるためにTDP(設計上想定されるマイクロプロセッサの最大放熱量)65W程度のCPUを冷却可能な構造とし、Core2Duoだけでなく、Core2Quadも視野に入れて設計する」

「実機部品を含め必要な部品すべてをCADでモデリングし、設計する」

「ケースへの部品接着を原則禁止とし、組み立てと分解を行えるようにネジ止め構造で設計する。軟化温度が低いホットボンドの使用は論外なので厳禁とする」

また、CPUとして低消費電力がウリであるIntel製CPU「ATOM」を使わない理由についても解説しており、「低消費電力ですがクロック当たりの性能が極端に悪く、Core2Duo3GHzの20％以下の性能しか持ち合わせていません。デスクトップに低性能な低消費電力CPUを搭載するのは妥協以外の何者でもない」と切って捨てています。

ここからが本番。中身はかなり高密度であるとして、下から冷却部、USB基盤部、マザーボード、無線LANモジュール、SSD、Blu-rayドライブ基盤、ドライブ駆動部となっています……というような感じで解説が始まり、制作順に細部の紹介が始まります。

冷却ファンの選び方、実機テスト、テスト結果から導き出されるベストな方法の採用……というようにしてこのあとは延々と続くのですが、見ているだけでも「これが……本当の自作PC！！」と感激できるクオリティです。

なお、動画公開後にさらに作者が以下のような追加コメントを出しています。

多くのコメント本当にありがとうございます。大百科に紹介までいただいて、　(／_；。) ｲｷﾃﾃﾖｶｯﾀ--
補足で材料の耐熱温度を追記します。
材質　 温度　使用箇所
[ABS樹脂 130℃ 筺体] [ﾎﾟﾘｲﾐﾄﾞ粘着ﾃｰﾌﾟ 220℃ 絶縁ﾃｰﾌﾟ] [ﾃﾌﾛﾝ 240℃ ｽﾍﾟｰｻｰ] [ｶﾞﾗｽｴﾎﾟｷｼ 180℃ 基板・ﾜｯｼｬｰ]
[ｼﾘｺﾝｺﾞﾑ 180℃ 接着剤] [ｼﾞｭﾝﾌﾛﾝ線 150℃ 基板配線][ｲﾝｼｭﾛｯｸ 85℃ 結束ﾊﾞﾝﾄﾞ] [EPDMｽﾎﾟﾝｼﾞ 85℃ ﾘﾝｸﾞ]
その他情報が未公開なｺﾈｸﾀｰ等は、なべで煮込んで耐熱試験しています。
この動画で物作りの楽しさを、少しでも伝えられたら幸いです。

一体どこの何者かは不明なのですが、すばらしいムービーで感動しました。「制作中のものもありますが、また次回作でお会いしましょう」とのことなので、これからもがんばってください。