宇宙に漂うシャボン玉そっくりな星雲が発見される
© Keith B Quattrocchi
カメラの前にシャボン玉が漂ってきたわけでも、レンズに水滴が付いていたわけでもありません。
宇宙に漂う巨大なシャボン玉のように見えるこの写真ははくちょう座付近にある惑星状星雲で、2008年7月に最初に観測されました。2009年7月16日に国際天文学連合により「PN G75.5+1.7」と正式に命名されたのですが、天文愛好家のあいだでは通称「Soap Bubble Nebula(シャボン玉星雲)」と呼ばれているそうです。
詳細は以下から。Giant 'soap bubble' found floating in space - space - 23 July 2009 - New Scientist
The Soap Bubble Nebula that's generating astronomical excitement among star gazers | Mail Online
この「シャボン玉星雲」は2008年7月6日にカリフォルニア州ウィルソン山天文台のDave Jurasevich氏によって最初に観測されました。その数日後の7月17日には医師で天文愛好家のKeith B. Quattrocchi氏とMel Helm氏によっても観測されています。この経緯は以下のリンクに詳しいです。
Review of "Bubble-Like" Nebula in Cygnus Aug 2008
多くの惑星状星雲は楕円(だえん)形や双葉型、葉巻型をしていて、球体のものは非常に珍しいとのこと。ただしこの星雲も円筒形の底面が地球の方を向いているという可能性もあるそうです。
惑星状星雲は太陽の8倍程度までの質量の恒星が死ぬときに放出したガスが輝いている現象で、この状態は数万年間続きます。典型的な星の寿命が数十億年なのに比べると、星雲の寿命は短いといっていいようです。
なお、この星雲が撮影されたのは2008年7月が初めてではなく、第2期パロマー天文台スカイサーベイの写真をよく見ると、16年前撮影された写真に今と変わらない大きさ・明るさの星雲が映っていたそうです。
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