富士通が世界最速となるCPU「Venus」を開発、処理速度はIntelの最速モデルの2.5倍
富士通が本日、世界最速となるCPU「Venus」の開発に成功したことを明らかにしました。
日本のメーカーが世界最速のCPUを開発するのは10年ぶりにあたるとされており、現在発売されているIntel製CPUの最速モデルの2.5倍にあたる処理能力を実現しているとのこと。
※17:23に「Venus」の画像を追加しました
詳細は以下から。
富士通が最速CPU開発、10年ぶり日本メーカー首位 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
読売新聞社の報道によると、富士通が1秒間に1280億回の計算ができる世界最速のCPU(中央演算処理装置)の開発に成功したことを発表したそうです。
このCPUは「Venus」と呼ばれるもので、微細化技術を用いて約2平方センチメートルのチップ上に集積する中枢回路の数を従来の4コアから8コアに増やすことで高速化を実現したとのこと。計算速度はIntel製CPUの最速モデルの2.5倍にあたるとされており、消費電力も3分の1に抑えたとのこと。
CPUの開発は世界最大手のIntelやIBMが先行しており、日本のメーカーがトップとなったのは1999年に富士通がトップとなった1999年以来としています。
なお、「Venus」は2010年度末の稼働を目指す理化学研究所の次世代スーパーコンピューターに採用されることが有力であるとされており、数万個が搭載されることで新薬開発や地震予知、ロケットエンジンの設計などに威力を発揮するとみられているほか、パソコンやデジタル家電などへの応用が実現すれば、携帯型の同時通訳装置や自動車の自動運転装置などの開発につながる可能性もあるそうです。
ちなみにこの「Venus」についてですが、以下のリンクによるとメモリコントローラもCPUチップに搭載したペタスケールコンピューティングサーバ向けのCPUとのこと。そしてソケットあたりの演算性能は128GFlopsになるとされています。
【レポート】HOT CHIPS 20 - 富士通の次世代SPARC64チップ「Venus」は8コア (2) 富士通SPARC64 VIIの発表 | エンタープライズ | マイコミジャーナル
・17:23追記
富士通から届いた「Venus」の製品画像はこんな感じ
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