9.11に関する陰謀を描いた超大作ムービー「LOOSE CHANGE 2ND EDITION」
いわく、2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件はアメリカ政府による自作自演であり、キューバに対して派兵する口実を作るために立案された自作自演テロによる謀略計画「ノースウッド作戦」の焼き直しであって、9.11事件は中東に派兵することによって軍備の再編を急激に進めるため、あるいは戦争によって利益を得るために無理矢理作り出された陰謀だった、というもの。ちゃんと日本語のナレーションが付いてます。
何というか、今までのあらゆる9.11関連の陰謀論の証拠とされるものを寄せ集めて構成されており、冒頭の8分間程度までは圧巻です。冒頭のナレーションも不気味な感じがして陰謀の展開を予感させてくれます。
再生は以下から。
Loose Change Japanese nihongo 911 - Google Video
全部で1時間23分もあるのですが、先に書いたように冒頭の10分ほどを見るだけでもかなりの迫力であり、既存の素材をいろいろと組み合わせてそれっぽいナレーションを入れていくだけでこういうものができあがるのだという編集の力を思い知ります。内容うんぬんは今はさておき、映像メディアにおける「視聴者に思考する暇を与えずに事実と思われる資料を次々と提示してさらに思考を停止させていくドキュメンタリー的手法」という意味では興味深い事例です。
以下のページに予告編やiPodで閲覧できるバージョンなどがダウンロード可能です。
ルースチェンジ 2 日本語版
で、当然のことながらこの手のムービーについて、真偽の内容を問うのは当然の帰結となり、結果、日本ではこういう解説ページができています。
Loose Change 鑑賞案内 ~『911の嘘をくずせ ルース・チェンジ・セカンド・エディション』について~(はじめに)
気になるのはこのムービーを作ったのは誰なのか?ということ。
USATODAY.com - Conspiracy film rewrites Sept. 11
Loose Change (video) - Wikipedia, the free encyclopedia
監督は当時21歳のDylan Avery、同じく21歳のプロデューサーで従軍経験もあるKorey Rowe、そしてグラフィックデザイナーであり公式サイトも運営している25歳のJason Bermas。この3人が制作したムービーです。公式サイトは以下に。
Loose Change Website - Version 2.0
http://www.loosechange911.com/
政府の言うことに間違いはないとするのか、あるいは陰謀は暴くべきだとするのか、いずれにしても話の種としてはかなり優秀な部類です。
なお、この9.11に関する陰謀論については海外の本家Wikipediaにものすごい量のデータがまとめられています。
9/11 conspiracy theories - Wikipedia, the free encyclopedia
というのも、政府発表はむちゃくちゃであり、当時の米国マスメディアは全部政府よりの論調で報道にバイアスがかかりまくりの超偏向報道。おかげで当時はネットを通じて自国外の同じ英語圏のニュースサイトに情報を入手しに行かなくてはならないという事態になりました。このため、この9.11については割といろいろな情報をごまかさずに報道していた日本の各種報道系サイトにも海外から頻繁に訪問者が来るようになりました。このときの米国における「既存のメディアは信用できない」という流れに拍車をかけたのがブログの隆盛につながっており、この9.11の流れを受けているが故にアメリカのブログでは政治系のブログが注目され、一種のジャーナリズムとして認知され、ブロガーもジャーナリストの一環、つまりもともと存在していたアマチュアだけれどもプロレベルの取材能力などを有した人々、あるいは論客がネットを使って低コストで注目を集めることになったわけです。
なお、陰謀論とは言っても、あらゆる陰謀論が虚偽ではなく、実際に事実だった陰謀論も存在しているわけです。以下に事実だった「陰謀論」について書いてある箇所があります。有名な例だと、北朝鮮による日本人拉致事件です。
陰謀論 - Wikipedia(3 事実だった「陰謀論」)
さて、9.11事件は結局のところ、陰謀だったのかそうではないのか、どっちなのでしょうかね。
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