昼寝は問題解決能力を高める可能性があるという研究結果
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日中の短い昼寝である「パワーナップ」は記憶力や認知機能の向上に役立つといわれており、近年は生産性向上を求めるビジネスマンにも昼寝が注目されています。アメリカのテキサス州立大学の研究チームが行った実験では、「昼寝をすると問題解決能力が向上する」という結果が示されました。
An afternoon nap facilitates analogical transfer in creative problem solving - Westerberg - Journal of Sleep Research - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jsr.14419
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Afternoon Naps Boost Your Problem-Solving, Study Finds : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/afternoon-naps-boost-your-problem-solving-study-finds
研究チームは昼寝が問題解決能力に及ぼす影響を調べるため、テキサス州立大学に在籍する18~29歳の学生を募集して実験を行いました。被験者のうち28人が「昼寝グループ」に割り当てられ、30人が「覚醒グループ」に割り当てられたとのこと。
まず、すべての被験者には8個の「情報源(ソース)問題」が与えられ、問題を解くように求められました。解答後、被験者には「正しい解答と問題を解く方法」についての説明が提示され、それを記憶するように求められました。
次に、被験者に8個の「標的(ターゲット)問題」が提示され、それぞれの問題に答えるというタスクが与えられました。ターゲット問題の場合は解答後も正しい答えが教えられず、時間が来たら次の問題を解くように促されたとのこと。
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被験者には知らされていませんでしたが、一連のタスクにおけるターゲット問題は、事前に解いたソース問題と同じプロセスで解くことが可能でした。つまり、ソース問題とターゲット問題に共通する点があることに気付ければ、そこから類推してターゲット問題を解くことが可能だったわけです。
ターゲット問題の解答後、被験者らには2時間の休憩が与えられました。この際、昼寝グループに割り当てられた被験者は、脳波検査(EEG)用のヘッドセットを装着した状態で、110分間昼寝をするように求められました。一方、覚醒グループに割り当てられた被験者は昼寝をせず、覚醒したままでいることが求められました。
休憩後も実験は続けられ、被験者らは先ほど解けなかったターゲット問題に再び取り組みました。さらに被験者らは、「ソース問題とターゲット問題がどれほど類似しているのか」を7段階で主観的に評価したほか、ソース問題をどれほど記憶しているのかも客観的に測定されました。
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実験結果を分析した結果、最後にターゲット問題を解く前に昼寝をしたグループは、最初に解けなかった問題に解答できる可能性が高いことがわかりました。さらに、昼寝をした被験者はソース問題とターゲット問題の間の類似性に気付きやすいことも判明しました。なお、昼寝グループと覚醒グループの間で、ソース問題や初回のターゲット問題の正答率に差はみられませんでした。
問題解決能力の向上は、睡眠中にとったレム睡眠の量に関連していることも確認されました。以下のグラフは、縦軸が昼寝中にとったレム睡眠の量を、横軸が昼寝後の問題解決能力の向上を示したもの。レム睡眠の量が多い被験者ほど、問題解決能力が向上する傾向がみられます。
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レム睡眠は新しい記憶と古い記憶を結びつける役割を持っており、これによりソース問題とターゲット問題の共通点に気付きやすくなる可能性があるとのこと。研究チームは、「これらの結果は、仮眠の前に気付かなかったソース問題とターゲット問題の共通点をレム睡眠が強調し、類推的伝達の利用を向上させることで、当初は解けなかったターゲット問題の解答能力を向上させることを示しています」と述べています。
科学系メディアのScience Alertは、「直接的な因果関係があるのかどうかはわかりませんが、昼寝と問題解決能力には強い関連性があります」「午後の生産性を高めるため、1日110分の昼寝を上司に認めさせるのは難しいかもしれません。しかし今回の研究は、人々が昼寝の後に良い問題解決者になれることを示しています」とコメントしました。
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in サイエンス, Posted by log1h_ik
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