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画像生成AI「Stable Diffusion」や「Midjourney」に自作品の著作権を侵害されたとするアーティストたちの集団訴訟が裁判所によって棄却される


文章や参考画像を入力するだけで好みの画像を生成できる画像生成AIの開発が急速に進んでいますが、画像生成AIには「人間のアーティストの著作権を侵害しているのではないか」という意見も投じられており、著作権に焦点を当てた訴訟が複数展開されています。そんな中、北カリフォルニア地区の裁判所がStable DiffusionやMidjourneyを相手取った集団訴訟を棄却しました。

AI COPYRIGHT LAWSUIT mtdruling.pdf
(PDFファイル)https://fingfx.thomsonreuters.com/gfx/legaldocs/byprrngynpe/AI%20COPYRIGHT%20LAWSUIT%20mtdruling.pdf

Judge pares down artists' AI copyright lawsuit against Midjourney, Stability AI | Reuters
https://www.reuters.com/legal/litigation/judge-pares-down-artists-ai-copyright-lawsuit-against-midjourney-stability-ai-2023-10-30/

Stable Diffusionなどの画像生成AIはインターネット上に存在する膨大な画像を収集したデータセットを用いて開発されています。このため、画像生成AIには「作者の許可を得ることなく画像を収集して学習に使用している」という意見が多く投げかけられています。


また、画像データセットの開発者は画像投稿サービスを収集元として用いているのですが、画像投稿サービスに対しても「AIによる画像収集に対して対策を施していない」「AI生成画像が大量に投稿され、人間のアーティストが実質的に締め出されている」といった否定的な意見が寄せられています。

上記のような状況の中、2023年1月には複数のアーティストが「Stable DiffusionやMidjourneyは著作権者の同意なく収集された画像を用いて開発されており、有料サービスも展開している」「画像投稿サービス『DeviantArt』はAI開発者による画像収集からアーティストを保護しなかっただけでなく、Stable Diffusionを用いた『DreamUp』という有料サービスを展開した。さらに、DeviantArtにはAI生成画像が大量に投稿され、人間のアーティストが締め出された」と主張し、それぞれの製品を提供する「Stability AI」「Midjourney」「DeviantArt」の3社を相手取った集団訴訟を起こしました。

画像生成AI「Stable Diffusion」と「Midjourney」に対して集団訴訟が提起される - GIGAZINE


しかし、集団訴訟は2023年10月30日に北カリフォルニア裁判所のウィリアム・オリック判事によって棄却されました。

オリック氏は判決文の中で「『Stable Diffusionの学習に使用されたすべての画像は著作権で保護されている』『従って、すべての生成画像は二次的な著作物とみなされる』とする原告の主張は単純に誤っている」と指摘。さらに、オリック氏は論点を「著作権で保護された画像を用いてトレーニングされたモデルデータを用いて生成された画像」に限定した場合でも「生成画像にまで著作権が及ぶとは確信できない」と述べています。

オリック氏は訴状を修正して問題を追及し続けることを認めています。

なお、画像生成AIの学習データに自分の作品が使われているか否かは「Have I Been Trained?」などのツールで確認できます。また、AI研究プロジェクト「Knowing Machines」は学習データから自分の作品を削除させるための有効な手段として「カリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)にもとづいた削除リクエストの送信」を挙げています。

画像生成AIに自分の作品が勝手に使われたかどうかを検索できる「Have I Been Trained?」 - GIGAZINE

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in メモ, Posted by log1o_hf

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