世界一辛い唐辛子使用の激辛スナック菓子を食べた少年が数時間後に死亡、メーカーは「成人向け」と注意喚起


マサチューセッツ州在住の健康な14歳の少年が、激辛スナック菓子を1つ食べた数時間後に死亡するという出来事が起きました。問題の激辛菓子には「世界一辛い唐辛子」キャロライナ・リーパーやかつて世界一辛い唐辛子だったナーガ・ヴァイパーなどが使用されていて、メーカーは本来成人向けの製品だと注意喚起すると同時に、警告を無視してティーンエイジャーらが食べる事例が出ているとして小売店と協力し、積極的に製品の撤去を行っています。

Teen’s death after eating a single chip highlights risks of ultra-spicy foods | Ars Technica
https://arstechnica.com/health/2023/09/teens-death-after-eating-a-single-chip-highlights-risks-of-ultra-spicy-foods/


Massachusetts investigates teen's death as Paqui pulls spicy One Chip Challenge from shelves | AP News
https://apnews.com/article/massachusetts-one-chip-challenge-teen-death-5e421f73f5cc0e439ea05f228f4b8465

Earlier this month schoolboy Harris Wolobah sadly lost his life after eating the spiciest chip in the world.

The One Chip Challenge emerged as a social media trend back in 2016, following the release of Paqui's Carolina Reaper chip, renowned as one of the world's spiciest chili… pic.twitter.com/pjAG1CvxMu

— Morbid Knowledge (@Morbidful)


マサチューセッツ州ウースターに住むロイス・ウォルバーさんによると、学校の看護師から息子・ハリスさんの具合が悪いという連絡を受けて迎えに行き、おなかを抱えていたハリスさんを連れて帰宅したとのこと。しかし、ハリスさんは2時間後に意識を失い、病院に搬送されましたが亡くなりました。

亡くなる前、ハリスさんはウォルバーさんに「Paqui One Chip Challenge」を1枚食べたと話したそうです。

「Paqui One Chip Challenge」はチョコレートで知られるHersheyの子会社であるAmplify Snackが2016年から販売している激辛のコーンチップス。外箱はまるで棺桶のようなデザインで、中には個別にパウチ包装されたコーンチップが1枚入っています。

原材料としては、2013年に生み出された世界一辛い唐辛子「キャロライナ・リーパー」や、かつて辛さ世界一で2023年時点でもトップ10に入っているナーガ・ヴァイパーなどが使われています。辛さを示すスコヴィル値は、ハラペーニョが3500スコヴィル、「暴君ハバネロ」で有名なハバネロが約57万スコヴィル、ナーガ・ヴァイパーが138万スコヴィル、キャロライナ・リーパーは最大220万スコヴィルです。

今回の事態を受けて、Amplify Snackは公式サイトに「Paqui One Chip Challengeは成人向け製品で、子どもや辛い食べ物に敏感な人、食物アレルギーのある人、妊娠している人、基礎疾患のある人は対象外であることを明確かつ目立つラベルで強調表示しています。しかし、これらの警告に従わないティーンエイジャーやその他の人々が増えています。このため、製品自体は食品安全基準を遵守していますが、十分な注意を払い、小売店と協力して積極的に製品を棚から撤去しています」との声明を掲載しました。

2023 Paqui One Chip Challenge
https://paqui.com/onechipchallenge/


ハリスさんの死因はまだ特定されておらず、Paqui One Chip Challengeのせいかどうかは不明ですが、ニュースサイトのArs Technicaは「激辛」により可逆性脳血管収縮症候群(RCVS)が引き起こされる先行事例を指摘しています。

2020年の事例は、ミシシッピ州の健康な15歳の少年がキャロライナ・リーパーを食べたあと、数日にわたり激しい頭痛に襲われ、6日後に頭痛、吐き気、嘔吐の症状悪化により救急外来に搬送されたというもの。少年は血圧が急上昇し、脳の動脈がけいれんを起こして血流が制限され、炎症と脳梗塞を起こした状態でした。この事例では、少年は治療により回復しています。

また、2018年には「ペッパー大食いコンテスト」に参加した34歳の男性が、コンテストから数日後に雷鳴のようにひどい頭痛と激しい首の痛みに襲われ、脳の動脈が非常に狭い状態になっているという診断を受けました。この男性も、治療により回復しています。

これらは、カプサイシンを多く含む唐辛子を摂取したことが原因だとみられています。

なお、カプサイシンの過剰摂取は脳だけでなく心臓にもリスクがあるようで、2012年にトルコの健康な25歳の男性が心臓発作を起こしたのは、カイエンペッパーの錠剤を減量目的で服用したことにより、冠状動脈がけいれんを起こしたことによるものだと判明しています。このことはラットの心臓を用いた実験でも確認されたとのことです。

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in , Posted by logc_nt

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