サイエンス

カフェインは眠気を取り除くだけでなく「認知能力への悪影響」を減らすと判明


夜の運転や作業を行う時、眠気を振り払って目を覚ますためにコーヒーやエナジードリンクなど、カフェインを多く含む飲み物を飲むという人も多いはず。カフェインには覚醒作用があるだけではなく、眠気が認知能力へ与える悪影響を減らす可能性が最新の研究で指摘されています。

Caffeine may disrupt the impact of real-time drowsiness on cognitive performance: a double-blind, placebo-controlled small-sample study | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-021-83504-6


Sleep deprivation study finds that caffeine reduces the detrimental effect of sleepiness on cognitive performance
https://www.psypost.org/2021/04/sleep-deprivation-study-finds-that-caffeine-reduces-the-detrimental-effect-of-sleepiness-on-cognitive-performance-60537

シドニー大学心理学部のユージーン・エイドマン准教授の率いる研究チームは研究チームは18歳から28歳までの11人の男女を対象に実験を行いました。被験者は50時間かけて睡眠不足状態になったあと、11人中5人は「カフェイン投与群」として、200mgのカフェインを含んだチューインガムを2時間ごとに4回与えられました。また、残りの6人は「プラセボ群」として、同じ見た目でありながらカフェインを含まないチューインガムを同じタイミングで与えられました。


実験を通じて被験者は、3時間ごとにドライビングシミュレーターを使って40分の運転タスクをこなしました。この運転作業中、被験者は赤外線メガネを通じてまぶたの動きを監視されたほか、運転タスクを行う前と後で4つの認知能力テストを受けさせられました

その結果、カフェイン投与群は、最初の投与から1時間後の眠気が有意に少なく、実験を通してもプラセボ群より眠気が少なかったとのこと。また、精神運動警戒テスト(PVT)や知覚反応テスト(PRT)の得点では、カフェイン投与群がプラセボ投与群を大幅に上回っていたことがわかりました。

加えて、カフェインを投与群だけで見た場合、被験者の眠気とパフォーマンスの間の関連が弱かったことから、研究チームは「カフェインの投与量が認知能力に対する眠気の影響を抑制していることが示唆された」と述べています。


研究チームは「私たちは、カフェインが眠気による認知能力の低下を妨げることについて、説得力のあるエビデンスを発見しました。同時にカフェインによる緩和効果を将来の研究でさらに調査する必要があることも示されました。カフェインが眠気による有害な影響をどのように妨げるのかについての洞察は、厳しい条件で労働する人々にとって有用なものとなるでしょう」とコメントしました。

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in サイエンス, Posted by log1i_yk

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