レビュー

ドローンメーカーのDJIが送り出すGoProライクなアクションカメラ「Osmo Action」をGoPro HERO7 Blackと使い比べてみた


DJI Mavic Air」など、ドローン市場でその名を知られるDJIが、GoProのパーツをそのまま利用できるアクションカメラ「Osmo Action」を販売開始しました。実際にOsmo Actionを使ってみると、見た目や機能はGoPro HERO7 Blackを意識しながらも、ドローン製造で培った技術や新たなアイデアが随所に光るアクションカメラになっていました。

Osmo Action – Unleash Your Other Side – DJI
https://www.dji.com/osmo-action

目玉となるOsmo Actionの手ぶれ補正機能「RockSteady」の効果が丸わかりのムービーが以下。GoPro HERO7 Blackの「HyperSmooth」もかなり効果の高い手ぶれ補正機能ですが、Osmo Actionはそれを上回っています。

Osmo Actionの「RockSteady」とGoPro HERO7 Blackの「HyperSmooth」、2つの手ぶれ補正機能を比べるとこんなに差が出る - YouTube


表面加工が施された白塗りのパッケージにはOsmo Actionが水を突き破るようなイメージが描かれています。


箱の中にはOsmo Action本体(マウント用フレーム付き)・ベースマウント・クイックリリースベース・粘着性マウント・USB-Cケーブル・バッテリーケース・免責事項と安全に関するガイドラインが入ってきました。


まずはOsmo Action本体をチェック。マウント用フレームから本体を取り出すには、上部のラッチを引き上げて……


フレームから引き抜きます。Osmo Action本体は手のひらサイズの大きさです。


正面にはフロントディスプレイとレンズがついています。


二重の指紋防止コーティングとグレア軽減が施されたレンズカバーは簡単に取り外しが可能。レンズは画角145度のF値2.8、センサーは1/2.3インチのCMOSイメージセンサ。


背面にはタッチスクリーンを搭載。


側面には「QS」と書かれた「クイックスイッチボタン」と……


USB-CポートとmicroSDカードの挿入口が。


底面のバッテリードアは2箇所でロックされています。Osmo Actionは別売りの防水ケースを使わなくとも水深11mまで使用可能なので、バッテリーはかなり厳重に密閉されています。


バッテリーはドアと一体型になっています。バッテリー挿入口内部には製造番号などが記載されていました。


天面には「DISP」と書かれた電源ボタンに、赤丸のついたシャッターボタンがありました。電源ボタンの横の小さな穴はマイクになっています。


電源ボタンを押してOsmo Actionを起動すると、初回起動時はまずは言語の設定から始まります。Osmo Actionは日本語に対応していますが、音声操作は英語・中国語のコマンドにのみ対応しています。


日付・時刻を決定すると初期設定は終了。


Osmo Actionのタッチスクリーンはこんな感じ。Osmo Actionの操作はタップではなくスワイプがメインなので、スクリーン上にボタンの表示はありません。


下向きにスワイプすると、解像度の切り替えが可能です。


右向きにスワイプすると、撮影した写真やムービーをチェックできるギャラリーモードに。


左向きのスワイプでは、撮影設定が変更できます。ISO値、シャッタースピードをマニュアルで設定することも可能です。


下向きにスワイプすると、システム設定画面が表示されます。


背面のタッチパネルを2本の指でタップするか、クイックスイッチボタンを長押しすると……


フロントスクリーンに切り替わります。フロントスクリーンのおかげで、カメラアングルを自分自身でチェックしながら自撮り撮影が可能。なお、フロントスクリーンはタッチパネル式ではありません。


側面にあるクイックスイッチボタンを押すと、動画撮影・HDR動画撮影・8倍までのスローモーション動画撮影・タイムラプス動画撮影・写真撮影モードにそれぞれ切り替えることができます。また、保存した設定をクイックスイッチボタンでサクッと呼び出すことも可能です。


Osmo Actionはその大きさや性能、機能など、明らかにGoProを意識したアクションカメラです。というわけで、実際にGoPro HERO7 Blackと性能を比較してみます。


まずは大きさから。いずれも手のひらサイズで大きさにはほとんど差を感じられません。


幅はOsmo Actionが65mm、GoPro HERO7 Blackは62.3mm。


高さはOsmo Actionが42mm、GoPro HERO7 Blackは44.9mm。


奥行はOsmo Actionが35mm、GoPro HERO7 Blackは33mmです。


バッテリー込みの重さは、Osmo Action(左)が124g、GoPro HERO7 Black(右)が114g。


背面のタッチスクリーンの大きさはOsmo Actionがかなり大きめ。GoPro HERO7 Blackは周囲のベゼル部分が目立ちます。加えて、GoPro HERO7 Blackのタッチスクリーンには画面の各部に設定が表示されており、被写体が見づらめ。Osmo Actionは設定変更などはスワイプで行うので、設定表示は四隅に小さくある程度で、スッキリ見やすい画面です。


フロントスクリーンの有無も大きな差といえます。GoPro HERO7 Blackにも前面にディスプレイはあるものの、あくまで設定などのステータスを表示しているだけでカメラアングルは確認できません。


また、Osmo Actionはインターフェイス周りも使いやすくなっています。電源を入れてからの起動速度にも、Osmo ActionとGoPro HERO7 Blackでは差があります。以下のムービーを見ると、Osmo Actionの起動はサクサクなのがよくわかります。

Osmo ActionはGoPro HERO7 Blackよりも起動がサクサク - YouTube


数秒の差なのでわずかな差に思えますが、電源のオンオフはかなり頻繁に行う動作なので気になるポイント。また、GoPro HERO7 Blackは反応までにかなり時間がかかるため、「アレ…… ボタン、ちゃんと押したよな?」と思いがち。

それでは実際にビデオ撮影してみます。Osmo ActionとGoPro HERO7 Blackでは画角と色合いに差がありました。Osmo Actionの強みとして、4K解像度&60FPSでも魚眼を無効にすることが可能です。Osmo Actionで魚眼がオンにしてムービーを撮るとこんな感じの画角です。


魚眼がオフだとこんな感じ。


一方、同じ位置から撮影したGoPro HERO7 Blackの画角がこれ。Osmo Actionに比べて若干広角で撮影可能です。


しかし、GoPro HERO7 Blackは4K解像度&60FPSだと魚眼撮影のみ。解像度を2.7Kにして魚眼を無効にするとこんな画角になります。


また、GoProには4:3の画角を16:9に引き延ばして撮影する「SuperView」というモードもあります。SuperViewだとこんな画角に。なお、手ぶれ補正のオン/オフでも画角が変わりますが、今回はいずれも手ぶれ補正をオンで撮影しています。


色合いの差がよくわかる画像が以下。上側がOsmo Action、下側がGoPro HERO7 Blackで撮影したムービーから切り抜いたものです。色補正はOsmo Actionは「ノーマル」、GoPro HERO7 Blackは「GoPro」のプロファイルを使用、ホワイトバランスは両方オート、ISOは100、シャッタースピードは1/60で共通。見比べてみると、上側のOsmo Actionでは暖色系の発色が弱め。一方、下側のGoProでは「抹茶豆乳」の緑色と「理想のトマト」の赤色が濃く、コントラストが強いことがわかりますが、トマトの輪郭はつぶれています。マンゴーはGoProでは美味しそうに見えますが、Osmo Actionではあせて見えます。


画質はGoPro HERO7 BlackがH.265に対応している一方で、Osmo ActionはH.264にしか対応していません。それゆえに、Osmo Actinoで撮影したファイルのサイズは大きくなりがちで、画質もやや劣ります。

Osmo Actionは「RockSteady」、GoPro HERO7 Blackは「HyperSmooth」とそれぞれ手ぶれ補正機能を「目玉」として掲げているので、今度は動きながらムービーを撮影してみます。4K解像度&60FPSでRockSteadyとHyperSmoothを比較したものが冒頭に置かれたムービー。揺れが同期するように2つのアクションカメラをプラスチックの板上に固定して、足場の不安定な道を走り、階段を上り下りしました。Osmo Actionでは滑るように動いている一方、GoPro HERO7 Blackではかなり揺れが目立っています。

Osmo Actionの「RockSteady」とGoPro HERO7 Blackの「HyperSmooth」、2つの手ぶれ補正機能を比べるとこんなに差が出る - YouTube


一方、Osmo ActionのRockSteady特有の問題もあります。補正システムの関係なのか、ムービーが突然ジャンプしたようなカクつきが生じる場合がありました。なお、以下のムービーに使用された2つのクリップは色合いがかなり異なっていますが、いずれもOsmo Actionで撮影したものです。

Osmo Actionの手ぶれ補正機能「RockSteady」はカクつくケースも - YouTube


また、Osmo Actionは「ハイダイナミックレンジ (HDR)」をムービーに適用可能。HDRは暗い部分と明るい部分が同時に混在するような空間を撮影するときに、コントラストをいい感じに自動で調整してくれるモードです。HDRを使わず、暗い部分を大幅に改善するという「D-CINELIKE」というカラープロファイルをオンにしてOsmo Actionでムービーを撮影すると、以下の画像のように、暗い部分が黒く塗りつぶされてしまいます。


HDRとD-CINELIKEをオンして撮影すると、ムービーは以下のような見た目に。暗いところは暗く、明るいところは明るく映せていますが、実際よりも全体的に明るめ。なお、HDRとRockSteadyを同時にオンにはできません。


GoPro HERO7 Blackでは、HDRをムービーに適応できません。


実際にOsmo ActionとGoPro HERO7 Blackを使ってみると、ボタンの押し心地やバッテリードア・サイドドアなどの開けやすさなど、「使いやすさ」はOsmo Actionに軍配が上がります。GoPro HERO7 Blackは操作部がいずれも硬く、取り扱いにストレスを感じることがありました。Osmo Actionは各部の操作性が良く、扱いがかなり楽。その分、堅牢性や耐久性においてはGoProに分があるかもしれませんが、これはもっとハードな用途で使ってみないとはっきりしたことは言えないところ。


Osmo Actionはタッチスクリーンの感度・操作性も良好です。むしろこの使いやすさこそがOsmo Actionの一番のウリといえるかも。


マウント用フレームもOsmo Actionのほうが取り外しがしやすめ。GoPro HERO7 Blackはノッチなどが硬く、取り外しの際に指をケガしてしまったケースも実際に起こりました。


なお、Osmo ActionとGoPro HERO7 Blackのマウント用フレームのアクセサリーマウント部は全く同じサイズなので……


Osmo ActionはGoProのアクセサリーを使用可能です。


車載マウントなどのGoProアタッチメントをすでに所有している人でも、Osmo Actionにサクッと乗り換えられます。


Osmo Actionは8倍スローモーションムービー撮影機能やボイスコントロールコマンド機能タイムラプス撮影機能なども搭載され、専用スマートフォンアプリもあり、かなりGoPro HERO7 Blackを意識した製品です。しかし、GoPro HERO7 Blackに比べてOsmo Actionは「改善しているな」と実感できるポイントが多数あり、特にRockSteady手ぶれ補正機能はかなりのインパクトです。Osmo Actionはアクションカメラ市場を揺るがす商品になり得ますが、一方で画質や色合いの面では伸びしろが残されている印象でした。

Osmo ActionはAmazon.co.jpで本体のみが税込4万4820円、記事作成時点では、本体と液晶保護フィルムのセットがさらに安い価格の税込4万4270円となっていました。

Amazon.co.jp: 【国内正規品】DJI OSMO Action アクションカメラ + HAKUBA 画面が濡れても見やすい親水タイプ専用液晶保護フィルムセット: カメラ


GoPro HERO7 BlackのAmazon.co.jpでの価格は税込4万8000円となっていました。

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