高校生がウランの粉末「イエローケーキ」を精製しオークションで販売していたと報じられる
殺傷力の高い爆薬「四硝酸エリスリトール(ETN)」を製造・所持したとして2019年4月8日、東京都内の男子高校生が書類送検されました。その捜査の中で、男子高校生は核燃料として知られるウランをインターネットで購入し、そこから精製したウラン精鉱(イエローケーキ)をオークションサイトに出品していたと各紙で報じられました。同ニュースは日本のニュースを英語で届けるThe Japan Timesが取り上げたことから海外でも話題になっています。
ウラン売買でも捜査=爆薬ETN製造の高校生-原子炉等規制法違反容疑・警視庁:時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019040901354
Tokyo 16-year-old bought uranium and produced yellowcake to sell online, sources say | The Japan Times
https://www.japantimes.co.jp/news/2019/04/10/national/crime-legal/tokyo-16-year-old-bought-uranium-produced-yellowcake-sell-online-sources-say/
Japanese Teen Suspected of Making Yellowcake Uranium Maybe Just Really Into Chemistry, Police Say
https://gizmodo.com/japanese-teen-suspected-of-making-yellowcake-uranium-ma-1833981357
2018年8月、高性能爆薬として知られる過酸化アセトン(TATP)やETNを製造したとして19歳の大学生が逮捕されました。今回書類送検された高校生はTwitterやLINEを通じて化学に興味のある複数の人物とやり取りしていたと確認されており、この学生ともETNの製造方法について情報交換を行っていたとみられています。
逮捕された大学生とのつながりから、2018年10月に警視庁と愛知県警が男子高校生の自宅を家宅捜索し、2019年4月8日に男子高校生を火薬取締法違反容疑で書類送検しました。この捜査と並行して、2019年1月に「オークションサイトに『ウラン99.9%』と書かれた物質が出品されている」との情報提供が警視庁へ寄せられており、本件の高校生がそれを購入していたと判明しました。警視庁は新たに、放射性物質の売買を禁止する原子炉等規制法違反容疑で捜査を進めているとのこと。
男子高校生は、インターネット経由で購入したウランを使用してイエローケーキを精製し、オークションサイトで販売していたと報じられています。イエローケーキとは、ウラン鉱石からウランを分離・抽出する際に精製される黄色の物質で、原子炉でウランが使われる際にも精製されるほか、濃縮して核兵器にも使用されるものです。高校生は「ウランを悪用する考えはなく、化学的な関心から精製などをしていた」と供述しているそうです。
・関連記事
世界中の核爆弾が一斉に爆発すると何が起こるのか? - GIGAZINE
炎上・爆発なんでもあり、15分間に25個の化学実験を詰め込んだ衝撃のプレゼンTEDxムービー - GIGAZINE
TNT火薬1000トンを爆発させる様子のムービー - GIGAZINE
博物館に放射線を放つウラン鉱石が入ったバケツが10年以上放置されていた - GIGAZINE
放射性物質を使ってのスパイ暗殺疑惑と事件の背景とは - GIGAZINE
放射能泉である「ラジウム温泉」はなぜ安全なのか - GIGAZINE
・関連コンテンツ