自動運転貨物列車のテストが2018年内にスタート、鉄道の自動運転としては異例の150km以上の長距離に挑むことに
by Rob Dammers
鉄道の「自動運転」は車よりも進んでいて、地下鉄や新交通システムなどでATO(自動列車運転装置)を用いた運行が実用化されています。さらにその先の一歩を踏みだすものとして、今度は自動運転による貨物列車の運行計画が持ち上がっています。
Alstom testing automated freight train in the Netherlands - BBC News
http://www.bbc.com/news/technology-42782287
自動運転貨物列車を計画しているのはフランスに本拠を置く鉄道車両メーカー・アルストムです。
計画によれば、アルストムの「自動運転貨物列車」は時速100kmでの運行が予定されており、自動化によって運転手は列車進行の監視に専念できるようになるとのこと。まずは、列車と信号システムの実証実験が行われることになっています。
by Rob Dammers
これまでの自動運転の鉄道との違いは長距離であること。日本では、東京メトロの丸ノ内線・有楽町線・副都心線・南北線や、大阪市営地下鉄・長堀鶴見緑地線などが運転士のワンマン乗務の自動運転、ゆりかもめやポートライナー・六甲ライナー・ニュートラムといった新交通システムが無人の自動運転として知られていますが、いずれもそれほどの長距離ではありません。
by Tim Adams
しかし、アルストムはオランダにある国際貨物港・ロッテルダムとオランダ・ドイツ国境に近いゼーフェナールを結ぶ「ベートゥヴェルート(Betuweroute)」の管理を行うプロレイル、およびロッテルダム鉄道輸送との契約を締結。ゼーフェナールはドイツ西部の大都市圏・ルール地方に近く、総延長は158.5kmに上ります。
BBCでは、ベートゥヴェルートの中で107kmほどが新たに建設された路線である一方、残る50kmほどは在来線を複線化したものであることから、自動化は複雑なものになるのではないかと懸念を示しています。
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