【訃報】「ゲド戦記」「闇の左手」で知られる作家アーシュラ・K・ル・グウィンさん死去

© by Marian Wood Kolisch

スタジオジブリ作品としてアニメ映画化された大作「ゲド戦記」や、ネビュラ賞・ヒューゴー賞を受賞したSF小説「闇の左手」などで知られる作家のアーシュラ・K・ル・グウィンさんが2018年1月22日午後に亡くなりました。88歳でした。

Ursula K. Le Guin's Web Site
http://www.ursulakleguin.com/


ル・グウィン氏死去=「ゲド戦記」の米作家:時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018012400403

Ursula K. Le Guin, Acclaimed for Her Fantasy Fiction, Is Dead at 88 - The New York Times
https://www.nytimes.com/2018/01/23/obituaries/ursula-k-le-guin-acclaimed-for-her-fantasy-fiction-is-dead-at-88.html

ル・グウィンさんは1929年生まれ。女子大学であるラドクリフ・カレッジを1951年に卒業した後、1952年にコロムビア大学で修士号を取得。フルブライト奨学生としてパリへ留学した際に歴史学者のチャールズ・ル・グウィン氏と出会って結婚。

作家活動は1960年代以前にスタートし、ヨーロッパにある架空の国「Orsinia」を舞台とする作品など5点を書いたのち、1962年に短編で本格的に作家デビュー。1966年に初のSF小説「ロカノンの世界」、1968年に「影との戦い」を出版しています。「影との戦い」は「ゲド戦記(Earthsea)」シリーズの第1巻であり、シリーズは2001年までに外伝を含めて6冊が刊行されました。

1969年の「闇の左手」では、SF作品に与えられる賞の二大巨頭として知られるヒューゴー賞とネビュラ賞をともに受賞しました。

作家スティーヴン・キングさんも、その死を悼んでいます。


なお、「ゲド戦記」は宮崎駿監督も古くから気に入っており、「風の谷のナウシカ」を映画化する以前に出版元の岩波書店に映画化を打診したものの、ル・グウィンさんが乗り気ではなかったために話は流れました。同じように、1990年代にも映画化の話はあったものの、形にはならず消滅。

2003年になって、ル・グウィンさんが「映画化にOKを出せるとすれば『となりのトトロ』を作った宮崎駿監督だけ」と映画化に前向きになったのですが、今度は宮崎監督が「ハウルの動く城」に取り掛かっていたこともあって断ることに。しかし、せっかくの申し出であることからスタジオジブリ内で紆余曲折を経て、宮崎吾郎監督による映画化が決まりました。

2006年に映画「ゲド戦記」は完成・公開されましたが、原案として宮崎駿の作品である「シュナの旅」を取り入れたこともあって、原作とはやや違いのある作品となり、ル・グウィンさんの反応はやや批判的なものとなりました。

Ursula K. Le Guin: Gedo Senki, a First Response
http://www.ursulakleguin.com/GedoSenkiResponse.html

「風の谷のナウシカ」などに比べてテレビでの再放送回数が少ない「ゲド戦記」が、この2018年1月に金曜ロードSHOW!で放送されたというのは、縁だったのでしょうか。

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